長い間整備士をやっていると、いろんな失敗に遭遇します。僕自身も整備作業中に失敗したことはたくさんあります。
整備の基本エンジンオイル交換でも、何度も失敗に遭遇しました。自動車整備士がオイル交換でする失敗ってどんなことがあるのか?
実際に遭ったトラブル事例を紹介します。
目次
オイルを入れようとしてこぼしてしまう
この失敗は僕も何度がしたことがあります。
オイルを入れようとして、こぼしちゃうパターン。
どうしてこぼしちゃうの?って疑問に思いますよね?言い訳がましいかもしれませんが、僕がオイルをこぼしたのはこんな時です。
キャブオーバー車のオイル交換。座席の下にエンジンがあるタイプです。エブリィとかアトレーとかを想像してください。
使おうとしたオイルジョッキが短くて、オイルを入れるフィラーにノズルが入る前に、オイルが先っぽから出てしまうパターン。オイルジョッキが短いタイプだとよく起こってしまう失敗。
似たようなパターンですが、オイルジョッキのノズル部分が緩んでいて、いきなり外れてこぼれてしまったこともあります。
あとはオイルを入れるのが非常に難しい位置にある車。RKのステップワゴンとか、嫌な位置にオイルフィラーがあります。気を付けないとこぼしやすい。
無料だからオイルを交換してあげたら怒られた
うちの会社って、とある条件をクリアするとオイル交換が無料でできるんです。
まずは車検の予約を3か月前にもらえるとか。キャンペーン中に定期点検をやってもらえるとかなんですけど。
せっかくオイル交換が無料でできるので、実施しないわけにはいかないでしょう!というのが若かりし頃の僕。
その日も確か軽トラックの点検をしていて、オイル交換の時期がまだ来てなかったけど交換したんです。無料ですから!
そうしたら怒られました。何故かというと、オーナーが決まっていい化学合成油を入れているから。オイル交換の時期が近づいてきていたので、最終的には許してもらえましたけど。
無料だからと勝手にオイル交換をすると、こんなことになるんだなって身に染みて勉強になりました。
以来オイル交換は必ず断りを入れてから行うようにしています。オイルステッカーが貼ってなくて、オイルの汚れ具合で判断するのもちょっと危ないです。
ちゃんとオーナーに聞いてからの方がいいということ。
オイル交換後にリセットをしないで警告灯が点灯した
これも未だに根強くあるトラブルです。
最近の車の多くは、エンジンオイルを交換したらリセットをしないといけない車があります。
スズキ車だったりホンダ車だったりマツダ車だったり。
中にはオイルインフォメーションの表示灯のものもありますが、スカイアクティブDのようにリセットをちゃんとしないと、診断機でないと消せなくなったり。
これらはいろいろな車種を整備している工場でよく起こります。僕の会社でもよくあるトラブルです。
初めてオイル交換をするときって、リセットが必要かどうかを確認してから作業をしないといけません。
オイルを換えたのに、ランプがついてるぞって怒られてしまうのは悲しいですからね。
オイル交換をしたのに交換ステッカーを貼っていない・・・
これもたまにあるトラブルです。
オイル交換をしたら、次回はいつ頃オイル交換をすればいいか目安のステッカーを目に留まるところに貼るのがあたりまえになっています。
整備工場だろうが、ガソリンスタンドだろうがオイルステッカーをオリジナルで作っているところも多いです。
このオイルステッカーを貼り忘れる整備士が中にはいたりします。何度か僕も怒られました。僕自身はこの手の失敗はありません。
そして整備士によっては、オイル交換の距離が5000kmで書いていたり、4000kmで書いていたり3000kmで書いていたりでバラバラな場合があります。
オイルステッカーって難しいです。できれば社内で統一しないと駄目だと思います。
僕は自動車メーカーのシビアコンディションを目安にするのがいいと思います。
以上が整備士によりオイル交換失敗あるあるでした。
中にはもっとひどいものを見たこともありますけど。ドレンボルトをつけてないのに、オイルを注ぐ先輩とか。床がオイルまみれになってました・・。
オイル交換をきちんとできない整備士は2流だと思います。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。