今の車は20万キロでも平気で走れるほどの性能を持っています。昔は10年10万kmで車の寿命と区切をつけて、買い替えるのが多かったです。
理由は当時の車はタイミングベルトをエンジンに使っているということ。ちょうどタイミングベルトの交換が10万km。そしてマニュアルが多く、これまたクラッチの一般的寿命が10万km付近でむかえる。
10万kmを迎える時に、高額な修理が重なるため買い替えの促進になったわけです。それが今では故障知らずになり、エンジンはタイミングチェーン。ミッションはATやCVT。
軽自動車であっても当たり前にノントラブルで20万km走ってしまいます。
しかし、さすがに20万kmほど走ってくると新車とは明らかにエンジンの状態が変わってきます。どのように変わってくるかというと、一番は音が大きくなります。
各部がすり減ってクリアランスが広がるので、メカニカルノイズが大きくなります。あとは各部からオイルがにじんだり漏れてきたり。
目に見えなく、体感ができにくいかもしれませんが、やはり圧縮は落ちていきます。
目次
エンジンの圧縮が下がるとどうなる?
走行距離が進んでくると、エンジンのクリアランスが広がってメカニカルノイズが大きくなります。
そして、20万kmを超えてくるとエンジンの各部がすり減ってくるので、エンジンの圧縮が落ちてきます。
ピストン・ピストンリング・シリンダー。そしてバルブ廻りの密着等が新車時から落ちてくるため、圧縮が低下。
圧縮が低下するとどうなるかというと、エンジンのパワーが落ちるわけです。エンジンの健康状態は圧縮圧力で測定します。エンジンにはそれぞれ限度値があって、その数値を下回るとオーバーホールを必要となります。
最終的には圧縮が低すぎるとエンジンがかからなくなってしまいます。
圧縮を回復させるために硬めのオイルを入れる?
距離を乗ってくるとエンジンの圧縮が落ちてきます。圧縮を回復させるにはすり減った部品を交換すればいい。つまりエンジンのオーバーホールです。
しかし、エンジンのオーバーホールは相当な金額がかかります。今の整備業界ではオーバーホールはほとんどせず、リビルトエンジンに載せ替える手法をとっています。
その方が費用も時間もかからないです。こだわりの車を仕上げるという意味合いで、オーバーホールをするのはほぼチューニングショップが主体となっているのが現状です。
では、エンジンの圧縮を回復させるのにオーバーホール以外の手段はないのか?
簡単な方法は、硬めのエンジンオイルを入れるという事。
例えば指定のエンジンオイル粘度が0W-16だとします。このエンジンに5W-30といったオイルを入れます。
もちろん説明書に記載がある、使用可能な範囲内の粘度アップです。過度に粘度を上げると逆に弊害がでたりもしますから。
オイルを硬くするという事は油膜が厚くなるので、密封作用が高くなり圧縮が回復するのです。
くたびれてきたエンジンにはエンジンオイルの粘度アップがお手軽でお勧めです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。