オイル交換時にオイルパンのネジ山を駄目にするケースが多発!ネジ山を壊さない為にできる事

エンジンがオールアルミエンジンになって、オイルパンも例外なくアルミ製。昔のオイルパンに比べて素材が柔らかいため、ドレンボルトの締めすぎによるオイルパン損傷が増加しています。

まだまだこの手のトラブルが後を絶たない為、どうすればオイルパンのネジ山を守れるか、できることを書いてみます。

オーバートルクで締め付けない事

一番気を付けないといけないことは、もちろんオーバートルクでの締め付けを防ぐことです。

規定トルクを超えて締め付けると、オイルパンのネジ山は簡単に壊れてしまいます。規定トルクを守っていてもネジ山をなめてしまう事があります。

トルクレンチの精度が悪い場合、規定トルクで締め付けているようで、数値がズレていることだって考えられます。

はたまたすでにネジ山が壊れそうな状態いにあるものに対して、規定トルクで締めたとしても壊れてしまうこともあります。

とにかくオーバートルクでの締め付けは絶対にやめる事。

手締めに自信がない人は、トルクレンチを使用してください。

ドレンボルト・オイルパンのネジ山をきちんと清掃すること

続いてできる事は、ドレンボルトを外したらきちんとネジ山を奇麗に清掃すること。

これができていない人が意外といます。

パーツクリーナーでドレンボルトとオイルパン側のネジ山をきちんと清掃してから組み付けること。

排出されるオイル中にスラッジやゴミなどが混じっていると、それがネジ山に残った状態のまま締め付けるとネジ山をかじってしまいます。

これはホイールナットで多いトラブルですが、ドレンボルトも同じ。基本的にはきちんと清掃をしてから組み付けるという事です。

締め付け具合が分かりにくい場合、つぶしパッキンなどを使う

これは賛否両論でるかもしれませんが、僕自身実証をしています。

純正のパッキンで締め付ける場合、締め付け具合が分かりにくい場合があります。

特にこういったアルミ製の平ワッシャみたいなパッキン。力加減が伝わってきにくいんです。

そういう場合つぶしパッキンに交換するのも一つの手段です。

このような潰し型のパッキンは、パッキンがつぶれていくのが手ごたえではっきりとわかります。手に伝わってくるトルクの変動をキャッチしやすいので、締め付けの調整がしやすい。

純正が平型のパッキンなのに潰しに変更するなんて怖いという意見もあるでしょう。

ですが実際にネジ山を半分以上損傷しているオイルパンに対して、僕は潰しパッキンを使います。どうしてかというと、ネジ山が半分も損傷しているので規定トルクをかけると止めをさしてしまう。

潰しパッキンを使って、手の感覚を頼りに締め付けたほうが安全だからです。損傷しているオイルパンにはあえて規定トルクを無視するという手法です。

パッキンの内径さえ合っていれば、オイルが漏れ出すことはいまだかつてありませんでした。

下抜きをやめて上抜きをする

僕はプライベートでオイル交換をするときは上抜きでしかしていません。

理由は3つあります。下抜きと上抜きを比較した場合、僕が乗っている車は下抜きのほうがより多くのオイルが抜けた事。そして作業が楽ちんだという事。最後にオイルパンのネジ山をいたずらに脱着する機会を減らしたいからです。

僕が乗ってる車はネジ山が駄目になりやすいKFエンジンです。今まで何度もオイル交換をされてきて、ネジ山自体は無事です。ですが、今後どの程度大丈夫かというとわからないです。

それは今まですべてのオイル交換を僕がしているわけではないので、もしかしたら何度かオーバートルクをかけられているかもしれません。

ある日急にポロっとネジ山が取れてくるリスクも考えられます。

なので、上抜きしかしないようにしています。ドレンボルトを脱着しないという極論です。

もし舐めてしまったらタップボルトを使ってリカバリーする

それでもドレンボルトのネジ山が駄目になってしまったらどうするか?

一回目のリカバリーはタップボルトが使えます。

ネジの大きさや種類で3種類ラインナップがあるので、適合するものを使ってしめると壊れたオイルパンにもきちんとトルクがかかって締め付けられます。

タップボルトは若干のオーバーサイズのドレンボルトです。オイルパンをねじ切りながら、装着ができます。

その後は普通のドレンボルトとして使えるので便利です。

お店でオイル交換をしていてもネジ山が壊されてしまうことがあります。DIYでオイル交換をするときは、これだけのことに気を付けてください。

最終的にはオイルパンの交換という末路になってしまいますので、そうならない為にも気を付けるのがベストです。

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