未だに根強い人気を誇っている、スバルの製造販売をしていたサンバートラックです。軽自動車ながら、4気筒エンジンをRRにレイアウトして静粛性を確保。
さらには、四輪独立懸架サスペンションを軽トラックにおごっている異例の軽トラックです。他メーカーはRrのサスペンションはリジッドでリーフスプリングを使っています。
スバルのTT型サンバーはRrにも独立懸架でコイルスプリングです。ホンダのアクティも独創的なトラックでしたが生産終了をアナウンスしています。
ここから先の軽トラックは良くも悪くもコストダウンがはかられたスズキのキャリィとダイハツのハイゼットの一騎打ちとなります。
本日はスバルサンバーで4WDの故障について。
目次
TT型サンバーで4WDに入らない原因は?
軽トラックを仕事に使ってる人は4WDを選ぶ人も多いです。僕が住んでいる地域では雪がたくさんふるので、2WDの軽トラックは使い物になりません。
ほぼ9割以上が4WDになります。
サンバー、4WDの故障がそこそこあるんです。
マニュアル車であれば、シフトノブに4WD切り替えのスイッチがあります。
このスイッチを押して「カチ」という電子音がするかどうか?
もし音がしなければ単純にスイッチが駄目になってる可能性もあります。
サンバーで4WDに入らない故障として多いのが、バキュームを切り替えているソレノイドバルブです。
エンジンルームの真ん中の先端部分にバキューム切り替えのソレノイドバルブが付いています。
このDENSO製ソレノイドバルブが良く壊れます。単純にバキュームの通路をスイッチングで切り替えているもので、ソレノイドバルブが壊れていたとしてもバキュームを直接つなぎ変えることで4WDに入れることができます。
バキューム通路を直結して4WDに入れば、ソレノイドバルブ不良。
それでも4WDに入らないとなると、ミッション内部に問題があります。
ミッション内部のダイヤフラム不良か
稀に4WD切り替えをしているシフトフォークが破損している場合もあります。こうなればミッションを載せ替えるかOHする必要がでてきます。
ここまでがマニュアルの場合。
ATのサンバーで4WDに入らない原因は?
ATのサンバーは切り替え式の4WDではなくて、フルタイム4WDになります。
フルタイムなんですが、プロペラシャフトの付け根にビスカスを配置しています。このビスカスが駄目になってしまうと4WDの効きが弱いなどという症状がでてきます。
ビスカスはミッションのプロペラシャフトが刺さっている部分に内蔵されています。
ただミッションを本格的に分解しなくても、ビスカスの部分だけで脱着交換が可能です。
ビスカスはこのようなものが中に組み込まれています。
スズキのビスカスとはまた一味違うものですが、中は非分解式となっています。
想像ですが、内部にシリコングリスが封入されているのではないかなと。
これが内部で不良を起こして、動力をうまく伝達できなくなる。ATで多いトラブルです。
リフトアップしてタイヤを回すと、一応前輪も回るんですが、フロントにトルクがかからないのです。
ひどい状態になると、車検上のスピードテスターから雨の日に脱出が困難になるほどです。
そして、このサンバーのビスカスは残念ながらリビルト部品の設定がないので、中古品と交換するか新品と交換するしかありません。
ちなみにビスカスの値段は80600円です。あとベアリングとオイルシール。ベアリングが550円でオイルシールは460円です。
ここに工賃が入るので、税込みだと10万円を超える修理代になってきます。
サンバーで4WDに入らない人は、ご参考までに
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。