最近気が付いたことがあるので、ちょっとまとめてみます。
WAKO’Sのフューエルワンという燃料添加剤があります。この添加剤、かなり評判がよくて僕も2回連続で車に入れて、どの程度燃焼室が変化するのかを観察しました。
燃焼室の変化は以下の通りです。
こちらが最初の状態です。フューエルワンを投入する前。僕が乗ってる11万キロオーバーの軽自動車ターボエンジン。1番シリンダーのプラグを外してプラグホールから燃焼室の状態を撮影しました。
ガソリンを満タンに給油して、フューエルワンを入れました。ガソリンが空になるまで走って再び撮影した燃焼室の状態。
すすけたカーボンが若干奇麗になっているのがわかります。
そしてさらにワコーズのフューエルワンを連続投入しました。同じくガソリンが空になるまで走って撮影した燃焼室の状態。
一回目ほどの変化は見られないものの、ピストントップの打刻もよみとれるようになっていました。
さて、ここで冒頭に戻ります。ワコーズのフューエルワンを入れるとオイルが汚れるのか?ということ。
目次
フューエルワンを2回入れて、2300km走行のオイル
一昨日オイル交換を実施しました。前回オイルを交換してから2300kmほど走行したあとに抜いたことになります。
軽自動車ターボのシビアコンディションは2500kmまたは3ヶ月ごとのオイル交換推奨なので、それよりも早いタイミングです。
整備士をやってると、オイルの汚れ具合は毎日のように見ています。感覚的に、オイルが汚れているなぁと思います。
比較するために、同じく先週オイル交換したうちの家族の車。
こちらは4500kmほど走行しての交換です。なんだか同じくらいの汚れ具合にみえたのです。
そこでピーンと来たのは2つ。
11万キロオーバーで、エンジンから異音がでている車だけにオイルは汚れやすいのだろうという点。ですが、車を買ってから1年経過しましたがオイル交換を何回したかな?覚えているだけで6回か7回は交換しています。本当に。
エンジン内部にスラッジが蓄積していたとしても、ある程度は奇麗になっているはず。
これはオイル交換をする前にヘッドカバーを開けてパッキンを交換した図です。思ったほどヘッド回りは汚れていません。多少のオイル焼けはありますけれど。
ということで考えられる原因その2。それはフューエルワンを添加したからオイルが汚れた?ということです。この理由を考えます。
燃焼室のカーボンを除去するとオイルに混ざる
フューエルワンに代表される燃料添加剤の効果を考えてみます。
燃料タンクに添加したフューエルワンは燃料ポンプに吸い上げられてインジェクターで吸気ポートへ噴射されます。
そして混合気となりシリンダー内に取り込まれて、シリンダー内を洗浄しながらカーボンを除去していきます。直噴エンジンならインテークではなくてシリンダー内へ直接噴射しているので、吸気ポートは関係ありません。
つまりフューエルワンは最低でもインジェクターと燃焼室を洗浄する効果があります。ここに蓄積された汚れはどこへ行くのか?
燃焼室で燃料と共にある程度は燃焼されるということ。燃えカスとなってエキゾーストバルブから排出されていくということ。そして汚れがオイルに包まれて、オイル内に取り込まれていくということ。これらが考えられます。
つまり、フューエルワンなど効果が高い燃料添加剤を入れると、通常よりもオイルが汚れやすくなるという結論に達します。
汚れが完全に燃焼して排出されるわけではありませんから。
オイルを介して社外へ排出されるという道筋もあるわけですね。
添加剤関係なしにオイルが汚れるエンジンは?
それでは、燃料添加剤を入れていないのにオイルが早く汚れてしまうエンジンは何故?
これはいくつか原因が考えられます。
単純にエンジンが汚れている場合。こまめにオイル交換をしていなかったエンジンで、蓄積された汚れが多い場合。こういうケースはある程度オイル交換を早めに繰り返すことで、排出される汚れが均一になっていきます。
そして、エンジンがくたびれてきているケース。メンテナンスをこまめに行われていない場合で、エンジンのクリアランスが広がってきている場合。ブローバイなどを大量に吹いてしまうとオイルも汚れやすくなります。
たとえ20万キロ乗っているエンジンであっても、オイル交換のスパンを短めにとっているエンジンはまったく汚れません。逆に5万キロにみたないエンジンであっても、オイル交換をしないことで内部が真っ黒になってしまいます。
オイルが早く汚れるということは、それだけエンジンが汚れているということ。
もう一つ考えられるのがオイルの洗浄性が高いものを使ってる場合。
ガソリン・ディーゼル共用のエンジンオイルを使ってる場合など。このオイルは洗浄性が通常のオイルよりも多く添加剤として配合されています。
つまり、普通のガソリンエンジンオイルよりもエンジン内部をよりクリーンにしてくれる。オイル自体の洗浄性が高い場合、やはり同じ距離を走っていたとしても汚れ具合は変わってきます。
オイルが汚れているということは、そのオイルがきちんと仕事をしてくれている裏返しです。安いエンジンオイルを入れると全く汚れてこない!いいオイルだ!というのは間違いです。
いいオイルってちゃんと汚れを包み込んでくれるので、汚れるはずですから。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。