車がハイブリッドや電気自動車、燃料電池車などと進化を続けています。しかし相変わらず不変なシステムがブレーキです。
原動機と呼ばれているものはエンジンであったり、ハイブリッドであったりモーターであったりしても車である以上はタイヤがあって路面を走る。それに制動力を生み出すのがブレーキシステムになります。
乗り物にとってブレーキはとにかく大事です。自転車でもそうでしょう?人間が走るよりも相当な速度を安定して出せますよね?すごいスピードで走ってる自転車のブレーキが壊れていら・・。自転車であっても恐怖です。
これが車だったら・・。
ここでは今一度ブレーキについて考えてみます。
目次
ブレーキの修理ってどんな種類があるか?
一言でブレーキの修理と言っても多岐にわたります。一番有名どころはブレーキパッドの交換ですね。ブレーキパッドってイメージがしやすい修理です。ほかにブレーキの修理と言えば何があるのか?
・マスターシリンダーOH
・ブレーキキャリパーOH
・ホイールシリンダーOH
・ブレーキパッド交換
・ブレーキシュー交換
・ブレーキホース交換
殆どの車に当てはまるのがここまでの内容です。あとはABSがついていたり、電動パーキングブレーキのモーター系統だったり、パワーユニットの違いで回生ブレーキ系統など種類はたくさんです。
ブレーキの基本的な構造は、回転しているディスクをパッドで挟み込んで止めたり、回転しているドラムの内側からシューを広げて止めるといった方法になります。
ブレーキペダルを踏んだ時のキー音に注意
ブレーキの異常をいち早く察知するためには、ブレーキ鳴きを注意して聞いてください。
ブレーキペダルを踏んでブレーキをかけたときにキーと鳴る音です。これがブレーキの残量が十分に残っているときに発生しているなら問題ありません。
ですが、ブレーキパッドが減って音を発生しているのなら要注意。
ブレーキの残量は最終的にはタイヤを外して目視しないとだめですが、ある程度の情報なら読み取れます。
車検や12か月点検を受けているのなら、分解整備記録簿にブレーキの残量の記載があります。ディスクブレーキであれば5mm以上残っていればまあ大丈夫。ドラムブレーキなら2mmですね。
それよりも少ない残量が分解記録簿に記載されていて、ブレーキ鳴きが発生しているのならタイヤを外してブレーキの残量をチェックすべきです。
ブレーキ警告灯はあてにならない時もある
左から3つめの赤いビックリマークがブレーキ警告灯です。
このランプはサイドブレーキをかけているときに点灯したり、ブレーキの残量が減ってくると点灯します。
サイドブレーキをかけているときに点灯する仕組みは、サイドブレーキのレバー部にスイッチがついているからです。そのスイッチ部でONになり、ランプを点灯させます。
ブレーキが減ってるのを感知して、警告灯を点灯させる仕組みは何か?
それはブレーキフルードのタンクの油面を感知しています。ブレーキパッドやブレーキシューが減ってくると、その分油圧のキャリパーやホイールシリンダーのピストンが飛び出てきます。
キャリパーのピストンが飛び出た分、タンクの中にあるブレーキフルードが各ブレーキへ流れ込みます。そうするとタンクの油面が下がります。
この仕組みを利用して、ブレーキパッドが減ってきたら警告灯を点灯させてドライバーに知らせています。
しかし、このシステムはあてにならないときがあります。どういうことか?
ブレーキパッド交換時にフルードの量をいじられると、正確に把握しきれないということ。あとブレーキフルードを交換する時、交換前と後で油面が変わってしまうと意味がなくなります。
これは整備する人の人為的なミスですね。フルードが少なすぎるとエア噛みを起こす可能性があります。でも多すぎると、いざという時に警告灯を点灯させてくれないということ。
ブレーキパッドのクラス別交換費用はどの位?
最後に参考までにブレーキパッドの交換費用はどの位かかるのか?お知らせします。
ちなみに工賃は整備指数で計算されます。12か月点検や車検時にブレーキパッドを交換すると、工数が0.4の車。点検はやらないで単純にブレーキパッドの交換のみをオーダーすると工数が0.9になる。
この違いは何となくわかりますか?12か月点検や車検の時って、リフトアップしてタイヤが外れた状況から作業を開始するから、指数が少ないというイメージです。
一般的な軽自動車のブレーキパッド交換費用は14000円前後。
小型車(5ナンバー)のブレーキパッド交換費用は16000円前後。
普通車(3ナンバー)のブレーキパッド交換費用は18000円前後。
スポーツカーのブレーキパッド交換費用は50000円前後。(使っているブレーキパッドがブレンボなどの場合。それ以外は普通車と同等。)
外国車のブレーキパッド交換費用は30000円程度。
この辺りを目安にしてください。ブレーキはハイブリッドだろうが電気自動車だろうが整備が必要です。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。