冬になると、多くなるトラブル
「エンジンがかからない」
というもの。原因の半分以上はバッテリートラブルです。バッテリーがくたびれてくるとセルモーターを回すだけの電気が取り出せなくてエンジンをかけることができません。
スマホのバッテリーを想像してもらうとわかりやすいのですが、冬って急にスマホのバッテリーが減りませんか?あれと同じことが車のバッテリーにも起こります。
バッテリーの特性として、外気温が寒くなると比重が下がります。つまり同じバッテリーでも夏と冬ではバッテリーにかかる負担が変わってくるということ。
夏だと100%発揮できるバッテリーが冬だと80%くらいしか使えないイメージです。
エンジンがかからないので、ブースターケーブルでジャンピングしてもらったらかかった。じゃあバッテリーを交換しよう!とお店に買いに行くとき注意してほしい点があります。
目次
バッテリーの製造年月日を確認すること!
ホームセンターなどでバッテリーの安売りをしていることがあります。ディーラーや整備工場で購入すよりも安く手に入るということで、買う人が多い。
でも、バッテリーの安売りをするということは理由があるのです。
それは在庫を一掃するための安売りだということ。つまり、長期在庫していたバッテリーを売るために価格を下げるわけです。
ユーザー側からすると、新品のバッテリーがとても安く買える!ラッキーと思ってしまいがちですが、長期在庫のバッテリーって注意しないといけません。
バッテリーには製造年月日が記載されています。写真のバッテリーのように数字が書いてありますが、これは製造年月日を表しています。読み方はメーカーで若干異なりますが代表的な読み方をお伝えします。
この場合090219となっていますが、2019年2月9日製造という意味を持っています。最初の二桁が日。次の二桁が月。最後の二桁が年。
09(日)02(月)19(年)
こうやって解読するメーカーが多いです。
この読み方を知っておくと、格安セールをしているバッテリーの製造年月日が読み取れます。もし3年落ちのバッテリーだったとしたらどうでしょう?
バッテリーの寿命って通常3年から5年くらいだといわれています。5年もつのは毎日ある程度の距離を走行する使い方をしないと難しいです。
ほとんど乗らない車だと、サルフェーションが起きて1年足らずでダメになるバッテリーもあります。実際テスターで負荷を与えた点検をすると「要交換」という診断がでてくる。
こうなってしまうと、いくらバッテリーを充電しても電気を蓄えられない状態になっています。つまり新品だと思って買ったバッテリーも、実はテスターで検査すると要交換という状態。
こんなバッテリーを買って取り付けたとしてもすぐに駄目になってしまう。
バッテリーを交換する時って、一番重要なのは製造年月日です。保証期間がついているバッテリーもありますが、当然製造年月日からさかのぼっての保証になりますので注意が必要です。
バッテリーを取り付ける前、端子を磨くこと
そしてバッテリー交換をするときに実践したい事。バッテリー端子を軽くペーパーで磨いてあげること。
バッテリーの端子部分って鉛で、放っておくと酸化して黒くなってきます。この状態で新品のバッテリーを取り付けても電気がうまく導通しません。
なので、バッテリー側と車体側の端子部分をサンドペーパーで軽く磨いてあげる。サンドペーパーでさっと一皮むいてあげると、きれいな銀色になります。
ここがポイントです。バッテリーを取り付ける前に端子を磨く。接点が磨かれることによって導通が良くなり性能を100%発揮できる。
ただ取り付けるだけではダメなのです。そして取り付けた後はグリスなどを端子に塗布しておくと完璧。これは緑青の発生を抑える効果があります。
バッテリーを交換してもエンジンがかからない場合、別の原因がある
もしバッテリーを新品に交換したのにエンジンがかからないという場合、別の問題をかかえています。
考えられるのは
・イグニッションのキースイッチ不良
・セルモーター本体の不良
・エンジンが焼き付いている
・セルモーターまでの配線が不良
・ヒューズが飛んでいる
・点火系統が故障している
・ガス欠
ざっと思い浮かべるだけでもたくさん原因がでてきます。バッテリーを交換してエンジンがかからないということで、枝分かれになるのがセルモーターが元気よく回ってるかどうか?
バッテリーを交換してセルモーターは勢いよく回るようになった!ということであれば、キースイッチやセルモーター関係は正常と判断。エンジン側の問題になってきます。
バッテリートラブルってシンプルながら、まだまだJAFの出張要因として上位を占めています。早めの交換をするか、万が一のためにジャンプスターターを買っておくことをお勧めします。
バッテリーは製造年月日の新しいものを買いましょう。
お勧めはパナソニックのカオスですね。値段の割に性能が高くておススメです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。