軽自動車の値段もずいぶんと上がってきました。外注先の業者さんと話していると、
「軽で200万もあたりまえになっちゃったねー。」
こんな話題をするようになりました。日本の生活を考えて作られた軽自動車ながら、本体価格がグイグイと上昇してきています。もちろん廉価グレードも存在して安いモデルもあります。しかしながら、全体的に価格は上昇しているのは間違いありません。
昔に比べて自動ブレーキが搭載されてきたり、装備もよくなってきているというのもありますけど。
そんな税制において有利な軽自動車ですが、実はことメンテナンスにおいては普通車よりもこまめに部品交換をしないといけないのです。
目次
メンテナンスノートに記載されている交換時期
車に付属している保証書と一緒になってるメンテナンスノート。詳しく読んだことありますか?メンテナンスノートには、指定交換部品のことが細かく書いてあります。
取り扱い説明書には使われているオイルやグレード、銘柄などが書いてあるだけですが、メンテナンスノートにはそれぞれの交換してい時期が明記されています。
このメンテナンスノートを見ると興味深いことがわかります。
軽自動車のほうが小型車や普通車に比べて、部品の交換時期が短めに設定されているのです。その理由を具体例を挙げて説明します。
スズキの軽自動車のプラグ交換は6万キロ、その他は10万キロ指定
従来のスズキではありません。今一番新しいであろうメンテナンスノートの内容になります。そこにはこのように書いてあります。
点火プラグの交換時期として
白金プラグ・イリジウムプラグ装着の軽及びターボ車・・・60千キロ(6万キロ)
上記以外の白金プラグ・イリジウムプラグ装着者・・・100千キロ(10万キロ)
ちょっと内容を変えて引用しましたが、軽自動車6万キロごと。それ以外の車は10万キロごととなっています。スズキはソリオやクロスビーなど、小型車も作っています。
軽自動車以外の車に関してはプラグの交換時期が長めに設定してあります。
エンジンオイルの交換時期も軽自動車は短めに設定されている
メンテナンスの基本中の基本。エンジンオイルの交換。こちらも軽自動車と小型・普通車は交換指定時期が違っています。
スズキのメンテナンスノートを見るとエンジンオイルの交換時期は
小型車・普通車(ノンターボ NA)・・・15000kmか1年、またはシビアコンディションで7500kmか半年
軽自動車(ノンターボ NA)・・・10000キロか半年、シビアコンディションで5000kmか半年
小型車・普通車ターボ・・・10000kmか半年、またはシビアコンディションで5000kmか3か月
軽自動車ターボ・・・5000キロか半年、シビアコンディションで2500kmか3か月
これを見るとやはり軽自動車のほうが厳しく交換時期を設定しています。
軽自動車のほうが消耗部品の交換時期が早いのは何故か?
ここからは理由付けです。
小型・普通車に比べると軽自動車の部品交換が短く設定されているのは何故か?
わかりやすい例えを書くと軽自動車の排気量が660ccだとします。小型車の排気量で1500ccの車があったとします。
排気量はおよそ2倍です。さらにこの軽自動車と小型車を時速60kmで走らそうとすると、軽自動車が3000回転くらいだとします。小型車が2000回転くらいで巡行できるイメージです。
軽自動車って排気量が少ないので、どうしてもエンジンを酷使しないといけない。ここに差が出てきます。同じ距離を同じ速度で走ろうとすると、エンジン回転で1000回転以上違ってくる。
この間スパークプラグの点火回数は当然多くなるし、エンジン回転が高いということはオイルにかかる負荷も違ってきます。排気量が大きくなればなるほど、エンジンにはゆとりが生まれる。そんなに無理に力を振り絞らなくてもいい。
なので、軽自動車は各部品の交換時期が短くなっています。それだけ部品が使われるということですね。
ATFやエアクリーナーも交換時期が短い
ちなみにエアクリーナーやATFなども交換時期が軽のほうが短くなっています。
エンジンの吸入空気を取り入れるエアクリーナーの交換時期は
小型・普通車・・・5万キロ、シビアコンディションで2万キロ
軽自動車・・・4万キロ、シビアコンディションで2万キロ
さらにATFの交換時期はどうか?
小型車・普通車・・・10万キロ、シビアコンディションで8万キロ(4速AT)
軽自動車・・・4万キロ、シビアコンディションで3万キロ
このように、トータル的に見て軽自動車のほうが交換時期が短く設定されています。税金などは優遇されていますが、部品交換のスパンは実は短い・・。
これを守らないで壊してしまう人もいますけどね。軽自動車に乗ってる人は、気を付けてください。特に最近の軽自動車は高いので、ちゃんとメンテナンスしてあげないともったいないですね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。