オイルを交換して3か月経過、その間の走行距離が1000kmを超えました。オイルのレベルチェックをしてみると、この位減っています。
オイル交換をした時は、ゲージ満タンまでオイルを入れておきました。
オイルレベルゲージの上限と下限は一般的に1リットルといわれています。これが本当であれば0.5リットルが1000km走行でなくなったことになります。
オイルがなくなる原因は漏れているか、喰っているかのどちらかになります。
オイルが喰っているというのは、オイル下がり・オイル上がりによってエンジン内部で燃えてしまっているということ。
エンジンのオイル消費はオイル上がりとオイル下がりに分類されます。
目次
オイル上がりとは
オイル上がりはエンジンのシリンダーから燃焼室へオイルが喰っていくことを言います。
シリンダーブロックはエンジンの腰下といわれて、エンジンのシリンダー内をピストンが上下しています。
ピストンとシリンダーは高速で摺動するので、オイルで潤滑されていますが、そのままの状態だと全てオイルが燃焼室へ入ってしまう。
それを搔き落とすのがピストンリングのうち、オイルリングです。オイルリングがシリンダー壁のオイルを搔き落としてオイルパンへオイルを戻しています。
オイル上がりはこのピストンリングのトラブルや、物理的にシリンダーに傷がついているなどで燃焼室にオイルが入り込むことで発生します。
オイル上がりの修理代はかなりのもので、エンジンを載せ替えたほうがいいくらいです。
オイル下がりとは?
続いてオイル下がりについてです。
オイル下がりはエンジンのシリンダーヘッドから燃焼室へオイルが流れ込む症状です。
手で持っている部分がバルブです。このバルブ設置部にはステムシールと呼ばれている、パッキンのようなものがあります。
このバルブステムシールが劣化して、バルブの軸からオイルが燃焼室へ流れ込むことをオイル下がりといいます。
オイル下がりはオイル上がりよりも修理は簡単で、ステムシールを交換すれば大丈夫です。
ただバルブの数だけステムシールも存在するので、4気筒なら16個。3気筒なら12個くらいつかってます。
1000kmでオイル消費0.5リットルは異常か?
それでは冒頭にもどって、オイル交換後1000kmでオイル消費0.5というのは異常か?正常、異常という判断をするのであれば、異常ではないというのが答えになります。
というのも、外国車のエンジンなどはもっと消費するものもあります。
取り扱い説明書に1000kmで1リットルほどのオイル消費があっても異常ではありません。と記載しているメーカーもあります。
ただ、現代の国産車でこのペースで減るというのはあまりいただけません。異常ではないけどよくないねと。
普通の人ならオイル交換をした後って、交換距離を書いてあるステッカーなどしか確認しませんね。車が好きな人であれば、その後のレベルチェックもするでしょうけど。
大体の人は乗りっぱなしになります。次のオイル交換までの間にレベルが下限を下回ってしまうのは日本人的な使い方には難しいと思います。
このペースで行くと、2000km走るまでにレベルゲージ下限を下回ってしまいます。やはりオイル交換後のレベルチェックはたまには行わないと駄目ですね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。