あなたの車の鍵は他人の車と同じ鍵を使ってるかもしれない!信じられない出来事を紹介

実話です。まさかこんなことがあるとは夢にも思いませんでした。結論を先に書くと、お客さんの車の鍵が入れ替わってしまった。つまり同じ鍵を使ってる車が同時に入庫していた。

結論を先に書いてもちょっと理解に苦しみますね。

順番を追って説明してみます。

車の鍵にはキーナンバーが存在する

新車を買ったとき、車の鍵と一緒に鉄のプレートが一緒になっています。

キーと一緒についているプレート。これがキーナンバーになります。

これは何を表しているのかというと、その名の通りキーのナンバーです。ではキーナンバーってどういう役割を持っているのかというと、その鍵の形状を表しています。

例えば、あなたがもし鍵をなくしてしまった。その場合どうすればいいか?

車の運転席に鍵穴があります。この鍵穴のキーシリンダーにキーナンバーが刻印されています。つまり、キーナンバーがわかれば鍵を作ることができるのです。

鍵をなくしてしまってもキーナンバーを鍵屋さんや車屋さんに伝えると、そのキーナンバーで鍵を作ってもらえるということ。

キーナンバーの数だけ鍵がある

ここで疑問を持つ人は、なかなか鋭い方です。

写真の場合キーナンバーが59640となっています。この桁数で数えると99999が最後の数字になるわけですね。

でも車ってそれこそ売れ筋モデルなら毎月1万台規模で売れています。つまり1年間を通じてコンスタントに1万台売れた車は、単純計算1年に1台同じ鍵を使っているということ。

鍵ってそんなに長くないです。そこに決まった溝を切っていく。それが99999パターンしか組み込めないといわれるとなんとなく納得します。

もっとすごく長い形状の鍵であれば、もう1桁増やせるかもしれませんけど。

しかし、現実的に考えて同じ鍵が存在するとします。それが近所の車でヒットするっていうのはほぼあり得ない天文学的数字になるわけです。

キーナンバーが4桁の車で事件が発生!

ここまでで、車には同じ鍵を使ってるものが存在するということは理解してもらえたでしょう。ここから先は実際に起こった事件簿を紹介します。

それは某社の某モデル。同じものですが、年式が8年くらい違いました。同時に板金修理の依頼が入りました。

いつものように車を預かって、板金は外注になるので外注先へ搬送。その日は外注先がすぐ車を回収に来ていたので、キーと車を渡しました。

いつもなら、車のキーに荷札などをつけて保管します。ちょっと間に合わなかったので、外注先に荷札を渡してキーにつけておくようにお願いしておきました。

それから数日後、1台の車が修理完了してきました。お客さんに修理内容や修理後の状態を確認してもらってお引渡し。

その後1時間程度で電話がかかってきました。

「ねえ、この鍵俺のじゃないよ?」

この時はお客さんが言っていることが全く理解できなかったです。普通に車が動いて引き渡しもスムーズに終わった。

鍵が違う?違うならなんで車が動いたの?って。

冷静になって問いただしてみると、お客さんの車はキーレスが付いていたというのです。しかし、引き渡されたときに車に刺さっていた鍵はキーレスがないタイプ。

この時、まさかな・・・と。そのお客さんはスペアキーを使って車の引き渡し時に渡したキーを返しに来てくれました。

念のため、外注先に確認をしたところ、もう一台の車にはキーレスが付いているという。そのキーレスは車に反応するかと聞いたら

「効かない」

と。この時点でアンビリバボーな出来事が確信に変わっていきました。お客さんが返してくれたほうの鍵を外注先に持って行って、もう一台にさしてみました。

なんと、回るんです。もう信じられなかった。エンジンもかかる。

これは同じキーナンバーの車が同時に入庫したということで間違いなかった。車を預かった時点でキーに荷札をちゃんとつけておかなかったからこういう事態を招いてしまった。

お客さんには事情を説明してお詫びをしました。笑って許してくれましたが、ゾッとしました。

もう1台のほうについていたキーレス付きの鍵、お客さんの車でキーレスを試すとちゃんと作動しました。そしてドアもエンジンも鍵が回った。

何でこんなことが起きたのか?

実はこの車、キーナンバーが4桁の車なんです。1万台に1台しか割り当てがされていません。今の車は10万台に1台のキーナンバー割り当てです。

確率が10倍高くなるわけですが、それにしたってこんな奇跡みたいなことが起こるとは思わなかった。

さすがに人の車に自分の車の鍵をさして試してみる人はいないと思いますが、こういうことも起こりえた事実ということでご紹介しておきます。

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