車のメンテナンスの基本中の基本。それはエンジンオイルの交換です。車に詳しくない人や免許取りたての人であっても、エンジンのある車にはオイル交換が必要である。ということを知っている。それは免許を取るときに教習所で教えてもらうからです。
しかし、DIYで自分でオイル交換をしている人、どのくらいいるか?おそらく1割か多くても2割くらいではないでしょうか?
自分でオイル交換ができる人でも、最近は面倒になってきてお店に任せているという人もいるでしょう。
そんなオイル交換ですが、交換方法には上抜きと下抜きという手法があります。どっちがいいのか?そんなもの、オイル交換なんだからドレンボルトを外して抜け!という人が大多数だと思います。
実際に僕がYouTube動画を制作してアップしたものの中で、様々な意見が飛び交ってる動画があります。
それがこちらの動画です。11万キロ走行をしている中古車にフラッシングを施した動画です。多い意見が
「フラッシングをしたのならドレンボルトから下抜きしたほうがいい」
という意見です。
前置きが長くなりましたが、オイル交換の上抜きと下抜きについてを書いてみます。
目次
オイルの上抜きと下抜き、どちらがいい?
エンジンオイルの上抜きと下抜き、どちらのほうが結局いいの?という疑問。
僕個人の意見ですが、より多く抜けるほうがいい。これはエンジンにとってもそのほうがいいのは間違いありません。
だって下から抜いたほうが、オイルってたくさん出てくるんでしょ?
普通はそう思います。ですが、オイルの上抜きっていう手法は、真空にしてオイルを吸入します。実は、上抜きのほうがよりたくさんオイルが抜けるエンジンあるんです。
その見分け方はとても簡単です。
オイルチェンジャーで可能な限り上抜きをしてみる。上からオイルが抜けなくなった時点で、オイルパンのドレンボルトを外してオイルが出てくるかどうか?
もし上抜きで抜ききった後にオイルがそれでも下から出てくるのであれば、そのエンジンは上抜きよりも下抜きのほうがより多くの量が抜けるということになります。
逆に、上抜きで抜いた後ドレンボルトを外した時に、オイルが出てこなければ上抜きのほうがより多く抜けるということ。
先のYouTube動画で上抜きしか僕はやっていません。でも実はチェンジャーでオイルを抜いた後ドレンボルトを外しています。その部分は動画ではカットしてあるのです。そのくだりも動画で紹介しておけばこれだけ議論を呼ばなかった。
結果動画のアトレーワゴンは上抜きでオイルを抜いた後、ドレンボルトを外してもオイルが1滴もたれてこなかったのです。つまり、アトレーワゴンは上抜きのほうがオイルがたくさん抜けるということになります。
上抜きを推奨する理由
僕は車の免許を取ってから、実は一度も他人にオイル交換をやってもらったことがありません。ずーっとDIYで自分でオイル交換をしてきている男です。
整備士になる前からずっと自分でオイル交換をしてきました。無知だったころは、車載ジャッキで車を片側だけあげた状態で、車の下にもぐってオイル交換をしていました。
今では考えられないことです。車の下にもぐるっていうことは、どんなに安全な対策を施していてもリスクが生じます。自分で100%安全だと思っても、突如その瞬間に地震が起きてジャッキが外れるかもしれません。
オイルチェンジャーを買った今、自分の乗ってる車と家族の車が上抜きのほうがより多くのオイルが抜けることがわかりました。
なので自分の家のオイル交換の時は、もう下抜きはやりません。理由は危ないし大変だから。オイルチェンジャーでのオイル交換は楽チンで且つ、下抜きよりもたくさんオイルが抜ける。
そりゃ上抜きです。
アルミオイルパンの車も上抜き推奨
そしてもう一つの理由は、オイルパンです。
今の車ってオイルパンがアルミでできている車がほとんどです。ドレンボルトをオーバートルクで締め付けたり、ドレンボルトにごみが噛みこんだ状態で、ネジを締めこんだりするとすぐにネジ山をだめにしてしまう。
アトレーワゴンのKFエンジンもしかりです。幾度とないオイルパンの修理をしてきました。知り合いの整備士はトルクレンチで締め付けさせてるのに、ネジ山がだめになった。という人もいます。
できればここもリスクが低いほうが好ましいです。アルミのオイルパンで上抜きのほうがオイルが抜けるのであれば、ネジ山保護の意味を込めても下抜きはやめたほうが無難です。
廃油処理も楽な上抜きオイル交換
オイルチェンジャーで上抜きすると、廃油処理も簡単です。
チェンジャーにたまった廃油を廃油受けやオイルパックンに流し込むだけです。僕は空のペール缶に廃油をためて、廃油ストーブを使ってるお客さんに渡したりしています。夏場はちゃんと会社で廃油処理をお願いしています。(当然定期点検時などで処理するのでお金は会社に払ってます。)
オイルパックンもいいんですが、自治体ではゴミとしてもっていってくれない地域もありますからね。下抜きよりも廃油の受け渡しが簡単でおすすめです。
以上僕がオイル交換をするなら上抜きをお勧めする理由です。YouTube動画には続きがあって、アトレーワゴンは上抜きのほうがオイルが抜けるよーという動画を後に作る予定だったので、あえてフラッシング動画では上抜きしか動画にでてきません。
このあたりが誤解を招いちゃいましたね。
それにしてもオイル交換だけでこれだけ盛り上がるっていうのは、まだまだ車好きがたくさんいていいね!と自分では思います。たかだかオイル交換動画で3万回を超える閲覧ですからね。
僕が買ったオイルチェンジャーはこれです。
丸っこいけどちゃんと使える優れもの。ATFもこれで交換しました。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。