エンジンオイルの中に、欧州車専用オイルというものがあるのをご存知ですか?
日本車に設定されているオイルはAPI規格で、現在の最高グレードはSNPlusというものです。対して欧州車専用オイルはACEA規格になります。
API規格はアメリカの石油協会が定めています。ACEA規格は欧州自動車工業会が定めています。
日本車はAPI規格のオイルを使っていますが、ACEA規格の欧州車専用オイルを入れたらどうなるのか?試してみました。
目次
軽自動車ターボに欧州車専用オイルを入れてみた
自分が乗ってる車に欧州車専用オイルを入れてみました。
粘度は5W-40。100%化学合成油です。ACEA規格ではA3/B4で、API規格ではSNです。一応このオイルはACEAとAPIの両方の規格表示があります。
自分が乗ってる車のグレード、粘度共にカバーしているので問題ありません。
むしろオイルは化学合成油で、高級なので全然OK。
入れてみて100kmほど走行してみましたが、特段変わった様子はありません。一緒に添加剤も入れたのですが、エンジンノイズが小さくなったとかそういった体感は出来ていません。
燃費の計測はこれからになります。
国産車のオイルと欧州車専用オイルの違いとは?
API規格とACEA規格をジーっと眺めていると、わかったことがあります。
API規格はどちらかというと省燃費性能を重視しているということ。ACEA規格は省燃費性能より耐久性を重んじている。
国産車は省燃費、欧州車は耐久性ということですね。
考えてみればヨーロッパって、日本に比べて平均走行距離が長くてスピードレンジも高いです。どちらかというと、エンジンの負荷は日本に比べて厳しいですね。
日本はチョイ乗りなどといった、エンジンが温まる前に乗り出してしまうシビアコンディション。これがオイルの寿命を縮めています。このことから、国産車に欧州車専用オイルを入れても問題ないと考えます。
当然API規格も記載してあるオイルなら問題ないです。ACEA規格しか記載していないものであっても、粘度が合ってれば使用しても不具合はでないのではないかなと。
欧州車のエンジンオイル交換時期が長い理由は?
欧州車って説明書をみると、エンジンオイルの交換サイクルが非常にロングライフ化されています。
国産の15000kmという距離をさらに上回って20000kmと書いてあるメーカーもあるくらいです。
欧州車専用のエンジンオイルはそのほとんどが化学合成油です。メーカーの純正オイルも化学合成油ばかりで、いわゆる高級オイルを長い期間で使うというイメージです。安いオイルを頻繁に交換するのではなくて、高級なオイルを使い切るまで使う。
平均走行距離が長いため、エンジンはほぼ完全暖機状態で使われるということ。時間軸よりも走行距離の軸の方が早いスパンで交換タイミングを迎える。
このことから、、交換距離を長く取れているのではないかなと。
逆に欧州車を日本で使うとすると、シビアコンディションでオイルが劣化しがちになります。欧州車を日本で使う場合はメーカー指定のオイル交換時期を鵜呑みにしないほうがいいと思います。
ヨーロッパのように短時間で距離が伸びるわけではないので、違った意味でオイルに負担が大きい。
国産車に欧州車専用オイルを入れても問題はないですが、その逆はあまりおすすめできないのは欧州車専用オイルの方が耐久性を重視しているのがその理由になります。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。