バッテリーテスターの過敏な診断とバッテリー交換の気まずさについて

某バッテリーメーカーの新しいカタログをもらって眺めていました。すると、うちの工場で主に取り扱ってるバッテリーが耐サルフェーション性能が200%という記載がありました。

その割に、バッテリーテスターにかけるとすぐに要交換という診断が出てきてしまう矛盾・・。

ちょっと今回はバッテリーの話をしてみます。

基本的に車検整備、定期点検などに入庫してきた車両は全てバッテリーテスターにかけられて、現在取り付いているバッテリーの状態を診断します。テスターはそこそこ最新のものを使っていて、充電制御、アイドリングストップから欧州車用のバッテリーなど一通りチェックすることが可能です。

バッテリーテスターにかけた診断結果をお客さんに話さないといけないわけですが、困るのが半年前や1年前に交換したばかりのバッテリー。

こういう新しいバッテリーであってもテスターは容赦なく交換を診断してくるんです。

バッテリーテスターは、現在バッテリーの充電量と健全性の2種類を%で表してきます。例えば充電量が80%であったとしても、健全性が0%なんていう場合もあります。

これは現在は8割程度充電されていますが、バッテリーとしてはだめだめですよ。という診断になります。噛み砕くと、スマホのバッテリーがダメになるケースを想像してください。

充電をしてすぐに100%になったとします。だけど、すぐに20%くらいまで落ち込む場合ありますよね?

現在8割充電されている電気は、健全性が100%の時の充電量で表すと、それこそ10%くらいしかないのかなっていうイメージ。

バッテリーの劣化を招く最大の要因って、サルフェーションです。一番の原因って、クルマに乗らない時間が長いということ。クルマが動けばオルタネーターが発電をして電気をバッテリーにためる。

ですが、乗らないクルマはただ放電がされるだけでなく、サルフェーションを起こしてきます。こうなると、バッテリーはどんどん劣化が進んでしまう。今はデサルフェーターというサルフェーションをある程度改善してくれる装置もありますけど。

1年前に交換したバッテリー。1年後の車検で要交換。それをお客さんに伝える時の心苦しさって言ったらたまりません。大体が

「1年前にお宅で交換してもらった!」

と強い口調で言われてしまいます。ただ、クルマは乗らないでいるとバッテリーの性能がどんどんと劣化して・・。という説明もしますが、あまり納得してもらえません。

バッテリー自体結構高額な部品に入りますしね。

サルフェーションがいけないんだよなぁ・・。なんて心の中でぼやいていた時に、バッテリーのカタログを見て

「耐サルフェーション性能の向上!」

この謳い文句を見て

「めちゃくちゃ矛盾してるやん?」

と思わず突っ込んでしまいました。当社がおきゃく様に取り付けしているバッテリーは耐サルフェーション性能を200%も向上しているのにもかかわらずですよ、1年足らずで要交換。

・放電時間が長く、使用が少ないクルマでも安心です。

と書いてありますが、

「嘘でしょ?」

と思ってしまう。実際に、バッテリーを再充電してからの計測をしてもダメ。

ではでは、バッテリーが要交換という診断になったらすぐに上がっちゃうのか?というとそんなこともない。

実際にうちの軽トラックのバッテリー、車検のたびに計測してずーっと要交換でした。そのまま9年以上使った。乗らない時なんかそれこそ一ヶ月以上放置です。エンジンすらかけません。

バッテリーは要交換診断。

だけど普通にかかる。冬でもかかる。問題なくかかる。無視して使って9年以上もった。さすがに自分自身気味が悪くなり(笑)自主的に交換に踏み切りましたけど。

バッテリーテスターが過敏すぎるのか?それともバッテリーがおかしいのか?ちなみに、バッテリーテスターの種類ですが、販売しているバッテリーメーカーから出ているテスターを使っています。

となると、テスターがおかしかろうがバッテリーがおかしかろうが、そのメーカーがおかしいんじゃないの?って思ってしまうのです。

それこそもっと安いバッテリーを車検ごとに交換するとかそういう方がいいのかもしれないよなぁと、最近頭を悩ませてくれています。

お客さんには真実を伝えないといけないので、交換したばかりのバッテリーでも、現在の状態は伝えています。諸刃の剣みたいなセールストークなんです。

でも車検が終わった後にエンジンがかからなくなった!というクレームを貰うよりはその時に苦しいけれどバッテリーの状況は伝えておかないといけない。

バッテリー診断って、本当に嫌いです。

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コメント

  1. nao より:

    えーー今のバッテリーなら、そのぐらいだと保証範囲では?
    逆にその程度の保証が付いてないバッテリーは怖いです。
    私も8年バッテリー使って、ディーラーに変えてください
    攻撃を、4年くらいずーと言われてました。

  2. オサカダショウゴ より:

     1年や2年で不良扱いにするテスターとメーカが狂っているんでしょ。
    売らんがための戦略ではないとしても、少しの劣化もダメ扱いが醜いですね。
    私の知り合いメカ音痴2人のダ社2台は毎日乗ってアイドルストップも正常に機能してたがディーラでの初回車検で「ダメです」宣告を受け交換したそうな。お古でもまだまだ使えそう。
    バッテリー屋にしてみれば車検後の故障と同じでクレーム対策なんですかね。
    私のNボは7年経過してアイドルストップの頻度が減少したもののまだまだ使えまっせ。
    アイドルストップしなくなっていい感じです。

  3. 渡部 より:

    同様の経験をしています。
    バッテリー交換後1年とかでも「要交換」と出ますね。

    お客様への言い方が難しいです。

  4. 愛知の事務員 より:

    経験あります。
    なので状態にもよりますがMAX5年で交換しています。

  5. 韋駄天 より:

    バッテリーを買わせようとしてるのかもですよw
    メーカーの陰謀説w

  6. MHO より:

    明らかにバッテリーが完全放電するケースとかでないと、なかなか保証に応じてくれなかったりするんです・・

  7. MHO より:

    これはまさしくその通りだと思います。

  8. MHO より:

    バッテリーをおすすめするときは、パソコンの整備歴とにらめっこして、最後に交換した時期をちゃんと把握してからおすすめしないと必ず返り討ちにあってしまいます。

  9. MHO より:

    僕も5年くらいでとりあえず交換するようにしています。

  10. MHO より:

    テスターとバッテリーが同様メーカーだと、陰謀説を疑っちゃいますよね(笑)