引き際って言うんでしょうか、なんと言うんでしょうか。
例えば自分がすごい大切にしている車があったとします。
その車を、ずっと乗り続けたいと思っています。
どんなに壊れても壊れても修理してでも乗り続けたい車。
そんな車とのお別れのシーンなんて、考えたこともないですよね?
今回車検で預かった
実に昭和56年式。23年前の車になります。
この車をまだ現役で乗っているお客さんがいます。
現在の走行距離は、23000km。
1年に1000kmしか使わないけど、ずっと乗り続けたいと思って
いつも車検に入れてくれます。
今回こまったのはコレ
フロントのドラムブレーキのシリンダーからブレーキオイルが漏れていたので、
シリンダーのピストンのシールキットを交換して、OHとなりました。
ブレーキのシリンダーピストンのカップを交換して、
シリンダー内を清掃研磨。
そして、ブレーキシューも、ブレーキフルードが漏れて染み付いてしまっていたので
交換になったんです。
で、部品屋に部品を発注したら
ない
という返事。
そうなんですよ。車は新車から8年間だったかな?
それまでの間は、部品を供給する義務があるので、部品の供給は間違いありません。
で、部品の製造の義務を過ぎた頃、
市場に出回っている部品がなくなった時点でアウトなわけです。
それこそ、なにかのブレーキを流用できるというものなら話は別ですが、
さすがに23年も前の車。部品の大半は入手できない状態です。
旧車マニアなら、自分で自作や加工して取り付けるという方法もありますが、
一般ユーザーはそこまでできません。
なので、車とのお別れというのは唐突にやってきたりします。
今回、ブレーキシューは、ライニング屋さんに張り替えてもらうという処置で大丈夫でした。
でもこの車が事故を起こすと、車の外装パーツのほとんどが入手できないため、
板金するにも膨大な費用がかかってきます。
あなたの車の部品はまだ発注できますか?
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。
コメント
懐かしい!私なんかこのドラムブレーキを日に7台は分解清掃する
部署にいたので、おお!と声を上げました。
でもこのブレーキはまだましで、型式がKR-3またはKR-4になると
ドラムもブレーキも12インチになり、しかもシューの隙間調整が
ホイルシリンダー内に内蔵されたものになりました。
それを車検時には分解してピストンごと交換するのですが、新人は
必ず斜めに引き抜いてしまい、シリンダー内部に傷が入るか
最悪はシリンダーの縁が削れる事態を招いていました。
それでもホイルシリンダーを交換していると時間が無くなる上に
在庫が無いので大体は耐水ペーパーか、ホーニング砥石の出番
で作業は私が尻拭い!
その御蔭でドラムブレーキの作業は前輪の分解からドラムを
戻すまでの作業時間は10分以内で済ますとゆうド変態ぶり。
サンバーの12インチのドラムブレーキは自動調整機能は
へ~とゆう位良く出来てるので機会があれば見て下さい。
サンバーのK77に乗っている人がお客さんにいましたが、その車も廃車になってしまったので、もうこのドラムを拝見することはないかもしれないです。
あのホイールシリンダーのOHは、会社に入った当初カップの向きがいつもと違うので???と悩ませてくれました