お客さんから、
「フロントバンパーをぶつけちゃったので交換してほしい!」
というご依頼を頂いた時の事。
車にはカラーコードという色番号があります。新しい車であれば、外装部品を注文するとき大体が塗装済みで買う事ができます。
塗装をする手間がなく、付け替えだけで済む場合は板金工場に入れなくてもいいというメリットがあります。
外装部品の付け替えならば、その日のうちに整備を終わらせる事が可能。とても便利な色つきバンパーなんですが、それが仇となるケースもあります。これも何件か経験しました。
それは、保険で修理をする場合。
例えば100−0の事故案件で、フロントバンパーからフェンダーにかけてぶつけられてしまったとします。100−0ならば、バンパーが割れてたら新品交換になることがほとんど。フェンダーは未塗装なので塗装しないといけません。
修理する車が10年くらい経過している場合、色つきで入荷してくるバンパーの色と現車の色が明らかに違うように見えてしまう場合があるんです。
フロントバンパーは色つきで届きます。ですが、フェンダーは塗装しないといけない。現車の塗装はやはり色あせているので、塗装の段階で現車に合わせながらフェンダーは色を吹く。
だけど部品が入荷した時点で入ってきたバンパーは、塗装済みなので逆に違和感が出ちゃうケース。板金に聞いた事があります。色つきバンパーも現車に合わせて塗装してくれないのかと。それは保険会社が認めてくれないんだとか。
なので、修理する前にそうなりそうな車は事前に説明をしておくようになりました。
話を戻して、この前一見さんのお客さんに問い合わせを受けました。軽トラックです。バンパーが割れちゃったので交換してれと言われました。
これが、なかなかどうしてびっくりしました。明らかにボディ同色のバンパーです。部品屋さんに問い合わせると、このフレームナンバーでの色つきバンパー設定はないというのです。
え?でも実際にボディ同色だけど・・・。
これは一体どういうことだろう?実際に僕はこの車種のバンパーを色つきで注文して交換した事があります。
この車体は新車購入からどうやら6ヶ月くらいしか経過していない模様です。こんなに新しい車なのに色つきバンパーがない?どうなってるの?
いろいろ調べてみたら、この車本来なら素材色の白色バンパーが付いているらしいのです。だけどわざわざ新車で車屋さんが販売する時に、ボディ同色バンパーに交換したのか塗装をかけてあげてから納車されている模様。
芸が細かいなぁ・・。感心してしまった。
しょうがないから、違うグレードの車体番号で照合を取ったら、ボディ色のバンパーを取り寄せる事が可能でした。形状も全く同じです。
素材色を塗装しなおすのと、違うグレードのバンパーのそれぞれ差額がどのくらいかかるか試算したら1万円近く塗装しなおしのほうが高くなりました。
これだったら別グレードの同色バンパーを流用する!これがスマートな方法だったので提案して交換したのです。
色つき部品を注文する時は、ちゃんとその色が届くかドキドキします。違ってたら返品できないですから。オーダーには細心の注意が必要。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。