先週新規車両の車検依頼がきたので対応した時のことです。
新規車両ですが、そのお客さんとはお付き合いが他の車であったので快く引き受けました。車種は某ホンダ車でした。
車検の車を預かったときにお客さんから
「こんな通知も届いてたんだよねぇ・・・」
と、差し出された書類を見てびっくり。
これは・・・。
もしや・・・・
エアバッグリコール・・・。しかも車検が通らないバージョン・・。まだ未改修!?
ご存知の通りタカタ製エアバッグリコールです。エアバッグリコールには2種類あり、とりあえずリコールをしなくても車検は通るもの。
リコールをしないと、車検が通らないもの。
今回渡された通知はどうやら、「やらないと車検が通らない」リコールの方でした。
ホンダより届いているダイレクトメールです。
では、とりあえずリコールをやってから車検をすればいいではないですか?と、お思いの方も多いと思います。
しかし、タイムリミットがあります。この車検には自社代車を出して対応しているんです。年末年始まで、代車の予定はぎっちりと詰まっている。2日間でなんとかしないと、次以降のお客さんへ代車が出せなくなる・・・。
本来ならある程度のマージンをとって代車予定を組むんですが、会社の業績が今一歩よくないのでブーストをかけてギチギチモードで今年の予定を組んであるのです。
とりあえず、リコールをやらないとダメだっていうことはわかったので、最寄りのホンダディーラーにリコール予定を聞いてみる。その間に同僚に受け入れ分解をしてもらい、車の程度を調べてもらう。
幸いにも走行距離が結構伸びてはいるものの、軽微な部品交換で車検整備だけはすみそうです。あとはホンダディーラー次第。
一番頼りにできる(無理を聞いてくれる)ディーラーに相談。本来リコールっていうのは、その車を販売した会社にお願いするのが業界の筋なんです。
町工場からディーラーにリコール予約をとると、
「その車はうちの販売店から出てないので、他をあたってください」
という冷たい対応を受けることもあるんです(同業者同士だから)
そもそもこの新規車両がどこのディーラーから出たものかすら不明だけど、事情を話したらすぐに部品を手配してくれました。その日の3時にエアバッグリコールの部品が入荷するので、4時に待ちで作業してくれるという神対応。さすが。
そしてリコール作業をしてもらった証明を発行してもらいます。この証明書を継続検査の書類と一緒に陸事に持っていかないと、新しい車検証が発行できないんです。
通常指定工場での車検整備は、検査が終わった適合証・重量税など印紙・OCR・分解記録簿・納税証明証を一緒にして(場合によっては自賠責証書)陸事で新しい車検証を発行してもらいます。
検査をした日から数えて15日以内に登録しないといけません。自賠責保険の期間が残り短ければ15日以内になることもありえます。
例えば、24ヶ月ちょうどしか自賠責がない場合は検査したその日に登録しないといけない。
リコールをやってから陸事のMOTASという端末に反映されるまで、タイムラグがあるそうで、リコールをしたと言ってもすぐに陸事側では照合ができないのでこういった証明書を持っていく必要があるのです。
今回はいつもお世話になっているホンダディーラーの神対応で助かりました。自賠責の残りも短かったから、リコール作業いかんでは25ヶ月で自賠責を切らないといけなくなるかもしれなかったけど。
結果オーライでした。エアバッグリコールの通知が来たら車検前に作業をしておいてくださいね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。