オーバーヒートの車って、車の性能が上がってきた現代でもまだまだトラブルとして起こりえます。
昔の車は単純に冷却系統の容量が足りないなどでオーバーヒートが起こったこともありました。ですが、現代の車でオーバーヒートが起こるということは何かトラブルが起きていることになります。
まずはオーバーヒートの原因を学んで起きましょう
目次
オーバーヒートが起こる故障
オーバーヒートを引き起こす故障はどのようなものがあるか?
・冷却水漏れ
・ラジエターのつまり
・サーモスタット不良
・ラジエター電動ファンの故障
・ウォーターポンプ駆動ベルト切れ
・ウォーターポンプの故障
・エンジン内でクーラントのエア噛みによる循環不能
・ラジエターキャップの不良
・ヘッドガスケット抜け
考えられる故障をざっとあげてみました。これの故障はオーバーヒートに繋がります。
一つずつ詳しく見てみると。
冷却水漏れ
エンジンとラジエター・ヒーターなどを行き来しているクーラント。クーラントにはきちんとした量が入っていて、それら基準を下回るほど漏れだしてくるとオーバーヒートを起こします。
冷却水漏れの主な原因はホースの破裂、ホースジョイントの破断、ガスケットやOリング類からの漏れです。
ラジエターのつまり
これは実際に経験した症状です。オーバーヒートしたから見て欲しいという一見さんがきました。見た感じクーラントは規定量はいってるし、各種ベルト類も切れてない。しばらくすると水温計の針が振り切れました。
これはおかしいと冷えてからラジエターキャップを開けると中がサビッサビ。何度も何度も水を入れ替えてフラッシングしたらようやくラジエターの機能が復活しました。クーラントを交換しないでいると、ラジエターの中が錆びて詰まってしまいオーバーヒートにつながります。
サーモスタット不良
車のエンジンを一番効率よく働かせるにはある程度熱も必要です。逆に冷たすぎるとオーバークールという症状が起こったりする。
エンジンを完全暖気でうまく制御するのが一番効率よくエネルギーを使えるので、車の冷却水はサーモスタットという弁を用いて、ある程度すぐに温度が上がるようになっています。
このサーモスタットが閉じっぱなしになるとオーバーヒートに繋がります。
ラジエター電動ファンの故障
車は走ってると自動的に走行風がラジエターを通過して冷却水温を下げてくれます。これが渋滞にはまるとどうなるか?走行風はラジエターに当たらないので、強制的に風を通してあげる必要が出ます。
これがラジエターの電動ファン。電動ファンは温度スイッチによって動き出します。電動ファンのファンモーターが壊れていたり、ファンスイッチが壊れたりするとアイドリングでオーバーヒートを起こします。
ウォーターポンプ駆動ベルト切れ
わかりやすいトラブルです。エンジンの冷却水であるクーラントはウォーターポンプと呼ばれているポンプで各部へ循環されています。このウォーターポンプの動力源は多くがベルトを介してエンジンから得ています。
このウォーターポンプを駆動しているベルトが切れるとオーバーヒートします。ハイブリッドカーなどではベルトを使わないで電動ウォーターポンプになってるモデルもあります。
オーバーヒートの原因で結構多いトラブルです。
ウォーターポンプの故障
これは国産より外車に多いトラブルです。ウォーターポンプ本体がダメになる。ある年式の外国車のウォーターポンプは、ポンプ部分がプラスチックでできているのがあります。
ある程度の期間使ってくるとこのプラスチック部分がもげて無くなってしまっている。扇風機のプロペラ部分が全部もげてしまってるのを想像してください。
シャフトだけになってしまえばクーラントを循環させることなどできません。
クーラントエア噛みによるオーバーヒート
エンジンの冷却通路は細い通路から太い通路など様々に構成されています。ここにエアが噛みこんでしまうとうまくクーラントが循環できなくなる。
ストローに泡をつけて洗ったことありますか?ストローの中に泡が入り込むと、なかなかその泡が外に出てこなくなるんです。車の冷却水路も同じでクーラントの交換時やクーラント漏れなどで冷却通路にエアが噛みこんだら、きちんとエア抜きをしてあげないとオーバーヒートすることがあります。
ラジエターキャップの不良
ラジエターっていうのは圧力鍋と同じ原理です。
ラジエターの内部を加圧すると、沸点をあげることができます。通常水って100度で沸騰してしまいます。先にも書きましたが、冷却水の通路にエアが噛み込むとクーラントがうまく循環しなくなりオーバーヒートを引き起こします。
なので、ラジエターキャップでラジエターを加圧させて沸点をあげています。このラジエターキャップが不良を起こしていると、沸点が下がってエア噛みをおこしオーバーヒートを引き起こします。
ヘッドガスケットの故障
これも経験があります。正常かと思われた車がいきなり原因不明のオーバーヒートを起こす。ラジエターも正常。水漏れもなし。電動ファンもウォーターポンプも問題なし。
特に問題なくて様子をみると、いきなり冷却水が吹き上がってオーバーヒートを起こす。こういう原因不明系のオーバーヒートはエンジンのヘッドガスケット自体がダメになってることが考えられます。
ヘッドガスケットが抜ける原因はそもそもがオーバーヒートなんですが、外見からだとほとんど見分けがつかないんですが、排ガステスタなどで計測すると通常よりもガスが濃く出ていることがあります。
オーバーヒートをすると修理代が高額になる
今の車は高性能になってきましたが、まだまだオーバーヒートは起こり得ます。
その原因はやはりメンテナンス不足といったもの。冷却系統のメンテナンスは、定期的にクーラントを交換すること。
そしてある程度の年式と距離を使い込んだら、各種ホース類やラジエター・ウォーターポンプなどを交換していくという作業が必要になります。
ラジエターや電動ファンモーターなどは、故障してから修理するということがほとんどですが、オーバーヒートが起きたらすぐに車を止めるなどといった処置ができなくて走り続けてしまうとエンジン本体をダメにしてしまいます。
それらをきちんとできない場合は予防で交換していく方が無難です。
真冬でもオーバーヒートは起こり得ますので注意してください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。