ドライブレコーダーの普及が加速的に広がっています。全国的にいろんな交通事故やら交通マナーで問題が湧き上がってきたのが一因です。
自分の身は自分で守らないといけない！という考え方が浸透してきたからですね。もしドライブレコーダーをつけたから安心だ！という人はこの記事をちょっと読んでください。
これは実際にあった苦い思い出です。
目次
ドライブレコーダーに画像が保存されていない・・・
ドライブレコーダーを心配だから取り付ける、という人の中にはドライブレコーダーがどのような流れで画像を保存しているかを知らない人がいます。
ほとんどのドライブレコーダーはSDカードにその動画をループで保存しています。車に詳しい人ならそのくらいは知ってると思います。が、知らない人も実際に多い。
さらに突っ込んで話を進めていくと、SDカードというものは当然保存容量が決まってます。32Bとか64GBとかです。
その容量を超えて保存することはできません。なので多くのドライブレコーダーは常に動画ファイルを上書きしています。
それでは、常に動画を上書きされていくと決定的な動画が残らないじゃないか！と思う人もいるでしょう。それは大丈夫。
ドライブレコーダーにはGセンサというものがついていて、ある一定以上の衝撃を受けて保存した動画ファイルは、消せないファイルとして蓄積していきます。
衝撃を受けて保存した動画は消せないファイルとしてSDカードに残るわけです。上の写真をみるとLOCKという名前のファイルがGセンサが働いた消せないファイルです。
ここまではなんとなくわかると思います。
話を元に戻して、SDカードには保存できる容量が決まっています。それを超えて保存することはできないから上書きを繰り返すという話を先にしました。
では、衝撃を受けてGセンサが働いて消せないファイルとして残っていくとどうなるか？その消せないファイルがSDカードいっぱいにたまってしまったら・・・
結論として動画ファイルを保存できなくなってしまいます。
実際にあったドライブレコーダートラブル
ここから実際にあったトラブルを紹介。
ドライブレコーダーが出回り始めたころ。とある運送業社から一斉に全ての車両にドライブレコーダーの取り付けを依頼されました。
当時で始めだったので、ドライブレコーダーの種類も少なかったわけですが、電装屋さんと一緒に説明して取り付けてもらいました。
数年後、定期点検で車をあずかると気になる音声メッセージが流れていた。
「メモリカードが一杯です。フォーマットしてください。」
これはどういうことかなと調べてみたら、やはりGセンサが働いて保存していたファイルが一杯になっていた。この時のドライブレコーダーは、レコーダー側でフォーマットすることができないタイプでした。
状況を説明して定期的にフォーマットするなりパソコンなどへデータとして保管して、メモリーカードを空けてくださいと伝えておきました。
運送会社が使うドライブレコーダーはモニターと一体型じゃないものが取り付いている場合もあります。なぜか？
ドライバーが意図的に動画ファイルを選んで消してしまう可能性があるから。雇用主はそのドライバーの運転自体をドライブレコーダーの動画ファイルで確認することができます。
ここに軋轢が生まれて、ドライバーが自分で動画ファイルを選んで証拠を消すということができないように、レコーダーにモニターをつけていないタイプが存在するのです。
そのあたりも取り付けた時に全て説明済みだったんですけど、ある時とうとう事故に巻き込まれてしまった。当然優良ドライバーを多く採用している会社だったので過失はほとんどない。
だけど、ドライブレコーダーが取り付いているということで、警察がそのファイルを見せてくれと言ってきたわけです。
ここで困ったのが、取り付けて数年がたつにも関わらず事業主は一度もドライブレコーダーを再生したことがなかったということ。しょうがないからメモリーカードを抜いて僕がパソコンで再生させてみたら、該当の事故動画が残っていない。
つまり、消せないファイルがメモリーカードをあっぱくして、肝心な動画が撮れてなかった。再三に渡ってフォーマットしてくれって伝えておいたんですが、事故が起きるその日までフォーマットをされていなかったんですね。
ドライブレコーダーがあったのに、動画が撮れていない。全く意味をなしていないということ。
ドライブレコーダーをつけたら定期的に確認を
ドライブレコーダーを取り付けたら、きちんと触ってください。いざって言う時に使えなかったら意味がありません。
当然事故動画を閲覧するくらいのスキルは必要です。全てを業者任せにするのであれば、定期的に必ず点検に出すとか相談するとかしないとダメです。
取り付けたから安心！じゃなくて、ある程度の期間を使ってきたら定期的にフォーマットするとか、たまには動画ファイルを見てみるとかそうやって使いこなせなければダメなんですよね。
SDカードもある程度の期間を使い込んだら新品にする方が安心です。いざって言う時に使えないドライブレコーダーなんかまったく意味がありません。
そして簡単なドライブレコーダーって、シガーソケットから電源を取っていたりします。別電源から取ってることもありますが、ちゃんと作動していることも確認してください。
これも前にありました。ドライブレコーダーをつけて安心！
というオーナーの車を見たらシガーソケットのヒューズが飛んで使えなかった・・。
笑えないトラブルばかりです。
自分の身を守るためには最低限の知識も必要です！
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。