返答に困ってしまうお客さんとのやりとり事例

お客様満足度のことをCSと呼びます。サービス業はCS向上を常に考えて日々努力を重ねています。

お客様がこちらに期待している以上のサービスを提供できた時、初めてお客様満足度が上がる。しかし僕もサービスの現場の第一線でずっと生きてきていますが、どうやらこのCSというのは時に諸刃の剣となり得るものだ。

ということに気がついてしまった!

お客様満足度が向上すればするほど、お客様の期待値というものがどんどん高いレベルに引き上げられていきます。つまり、期待に答えられなかった時のダメージがかなりでかくなる諸刃の側面を持っている。

そんなことで、実際にあったお客さんとのやりとり。困った編。

ケース1 車をぶつけてすったもんだ

とある常連ユーザー様からの依頼です。事故にあわれてしまったということで、当店に相談がきました。僕はその日は自動車検査員の研修に出ていたので代わりのスタッフが対応。

どうやら相手がいる事故で、過失もついてしまう。事故代車が2週間は工場代車の空きがない。代車がなくても大丈夫なら板金にすぐに搬入してもらえるように手配をした。という代わりのスタッフ。

僕の机の上にも板金の見積もりがあったので、どうやら写真か何かで板金見積もりをとったみたい。確かに工場代車は2週間先まで予約が埋まってしまってるのでやむを得ない。

ここで、そのお客さんから電話が入りました。対応は僕ではないスタッフ。

「ぶつけた部分のウインカーが出ないんだけど、これでおまわりさんに捕まるかな?」

話を聞いてみると、どうやらフェンダーの中にある小さなウインカーのことを言っているみたいで、電球切れならとりあえずすぐに交換するようにします。と伝えみたいですが、フェンダーがぶつかってレンズも全部割れてるという。

とりあえず雲行きが怪しくなってきたので、すぐに僕はその部品の納期を部品屋さんに問い合わせてみた。納期を確認したらまさかのメーカー在庫なしの納期1週間程度かかるという。

その事情をスタッフが伝えたところ

「じゃあ、これで警察に捕まったらあんたらのせいだね。」

と言われてしまい、電話を切られてしまった。

ここで問題になるのは、過失のある事故なのでレンタカーが使えない。お客さんの入ってる任意保険ではレンタカーの特約がついていない。工場代車の空きが2週間程度なし。とりあえず該当の部品だけを交換するにしても1週間の納期がかかる。

お客さんはいつも点検も出してくれている常連様。ここでお客様心理で考えると

「いつも点検も出してるのにいざっていう時に役に立たない工場だな!捕まったらどうするんだ!」

となっていると思われます。クレーム対応やCS向上系の研修に出たことがないスタッフや上司は

「やりようがないじゃない!事故が起きたのはどうしようもないんだし、できる限りの対応をしてダメなんだからしょうがないじゃない!」

と言っていました。確かに言ってることももっとも。言われても困ってしまうケースです。僕はこういう王手飛車取り的なケースや修羅場を幾度とくぐり抜けてきたので、最終兵器を提案。他の営業所から代車を借りてくる作戦でなんとかことなきを得ました。

こういうどうしようもできないケース、結構あります。

ケース2 整備予約時に納車の時間もきっちりと伝えろ!

これも違うスタッフが受けた件。話を聞いてると確かに困るよなぁ・・。と納得。

電話で車検予約があったんですが、引き取りして納車も希望されるとのことでした。お引取りの時間に関しては、お約束ができますが納車の予定に関しては車の状況を確認してからでないと明確にできかねません・・・。

と、話をしたところでお客さんが怒ってしまった。

スタッフの言ってることももっともで、もし何かしら車検に引っかかる部分があって、そこの部品取り寄せに時間がかかったら納期は部品に左右されてしまう。

例えばウインカーレンズやテールレンズなどが割れてるケースですね。社外品で設定があれば大体翌日には間に合います。純正部品でしかまだ設定がない場合、純正だと部品の納期が若干ずれ込んできます。

それを危惧しての回答だったのですが、うまく伝わらなかった。

スタッフは

「受け入れもしていないのに納期を確実に言えないよ・・。」

と、うなだれていました。このケースについては再度僕がお客さんに電話をして、朝引取りをしてお昼までに受け入れ・分解を済ませて、お昼休みまでには必ず納期のご返答をしますので、お話を預けてもらえませんか?

このように説明をしてしぶしぶ納得をしてもらいました。

今はクレームやCS研修は必須項目

なんだか最近は自動車のこともそうなんですけど、心理学的な側面をもっとよく勉強しないとダメなんじゃないか?と自分で勝手に思ってます。

面と向かって相手と会話をしていると、相手からいろんなサインを読み取れます。その声のトーンや表情、しぐさなど。相手がどのような心理状態にあるのかヒントがたくさん表面化してくる。

こと電話に関してだと、耳から入ってくる情報しかないので、一度でもあったことのある人ならイメージが湧きますがあったことのない人相手だと、相手が何を思っているのか想像するのが難しいです。

今やクレームやCS研修っていうのは本当に必須項目です。

お客様満足度が上がれば上がるほど、その期待値ハードルが高くなるわけですが、CSをあげないことには他店に取られてしまう。まさにサバイバルな時代。

例えば毎週土曜日に帰ってくるけど、点検をしてほしいという人もいます。土曜日に預かって、取りに来るのが次の土曜日。その間工場代車をずっと貸さないといけない。点検作業は1日で終わるにしても、お客さんのニーズに合わせて柔軟に対応しないといけない。

一つの仕事をとってもそうですが、無事に納車になって代金をお支払いいただくまでが昔に比べてすごく大変になってきたって実感しています。

まだまだ無茶難題をいわれたケースもありますが、また次の機会に。

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