実際にお目にかかることは滅多にないことですが、やはり車という乗り物である以上万が一にも起こり得るのが車両火災。
大事故が起きた後に車が炎上するというニュースを見かけたこともあるでしょう。
それでは、車が車両火災になってしまう原因はなんなのか？
目次
燃料漏れによる火災
車両火災の原因として一番確率が高いのが燃料漏れによる火災です。ガソリンエンジン・ディーゼルエンジンともに燃料は当然燃える。
燃料タンクからエンジンへ、正常な運びにならない故障が起きた時車両火災になる可能性があります。
具体的にはどのような場合か。
一番多いのが燃料漏れですね。燃料タンクからポンプでエンジンまで燃料は運ばれて、最終的にインジェクターやポンプで噴射される。この途中燃料漏れが発生すると燃える可能性があります。
燃料が漏れたと言っても、すぐに燃えるかというとそうでもなく、当然条件が重なると火がつきます。例えば漏れていた部分がちょうど道端にある火のついたタバコの吸い殻から引火する。もしくはエンジンの排気管など高熱を帯びるところに、漏れた燃料が付着して着火するというような原因です。
燃料ラインなどから燃料が漏れていないかきちんと点検されていないと、引き起こる車両火災です。
電気配線のショートで車両火災
続いて考えられる車両火災は電気配線のショート。これは電気自動車でも起こり得ます。電気自動車はエンジンを積んでいないので、燃料漏れによる火災は起こりません。ですが、電気系統からくる火災はエンジンがついていようがいまいが同じです。
こちらの具体例は配線のショートによる発熱・発火やバッテリーのターミナルやハーネスの緩みなどによる接触不良。これらが原因で熱をもち、発火することがあります。
電気配線のショートなどは、燃料に燃え移るまえに燃えそうなものから広がっていきます。室内配線のショートで、カーペットに火がついてそのまま車両火災になってしまうなどという状態ですね。
車の内装はある程度の不燃性のものをもちいて作られていますが、それでも限度があります。燃える時は燃えてしまう。
ショートによる車両火災もバカにできません。
オイル漏れによる車両火災
燃料漏れよりは火がつきにくいですが、オイル漏れが原因でも車両火災が起こります。どういう状況かというと、エンジンのパッキン部分からオイル漏れがじわじわと広がり、それが高熱の排気管に付着。
オイルがそのまま着火してしまうというパターンです。
著しいオイル漏れは当然車検にも通らないんですが、油圧のかかる部分からオイル漏れが発生するとかなりの勢いで漏れだします。
オイルフィルターに錆びて穴が開いてしまうと、オイルがかなりの勢いで噴き出すんですが、最悪の場合マフラーなどの熱で車両火災になることがある。
ブレーキ引きずりによる車両火災
こちらもよく聞くケース。ブレーキが引きずってしまった車を使い続けて発火。
ブレーキの引きずりって、経験したことがある人ならなんとなくイメージがつくと思いますが、普通にギヤを入れて発進しても全然力がないんです。
ATならクリープ現象がおこらない位。いつも以上にアクセルを踏み込まないと車は動かないし、惰性で転がることが難しいのでアクセルを離すとすぐにスピードが落ちてしまう。
症状に気づけばいいんですが、そのまま乗っているとブレーキキャリパーやドラムから熱を帯びてハブグリスなどへ着火する。
これと同じことが回転部分で起こり得ます。考えられないと思うんですが、半クラが原因で車両火災になった事例があります。
当社のお客さんで、かなりご高齢の人だったんですが、ものすごい勢いで半クラを使う人。耳が遠くなってくるとしょうがないんですけど、ひどい時など走行距離６０km足らずでクラッチが滑ってしまう。
イメージとしては常にレッドゾーンまでエンジンをふかしあげて、半クラを使ってる時間帯が異様に長い。これが原因で車が燃えてしまったことがあったんです。実話です。
高速回転する部分が原因で車両火災が発生するのです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。