ブレーキフルードの交換について。ブレーキオイルと呼ばれることもあります。
ブレーキの仕組みは電子制御をのぞいてとても単純です。ブレーキペダルを踏んで油圧を発生させ、それをパスカルの原理で四輪のブレーキキャリパーやホイールシリンダーにつたえています。
この油圧をになってるのがブレーキフルードです。運転免許を取る時にもブレーキについては何種類かのトラブルを教えてもらったと思います。ベーパーロック現象とフェード現象。ブレーキフルードが引き起こすトラブルはベーパーロック現象です。
ブレーキフルードは、まさに人命をつかさどる油脂にあたるわけです。
目次
ブレーキフルードの交換時期は?
ブレーキフルードの交換時期はどのくらいか?これはほぼ全ての自動車メーカーが定めているのは2年ごとの交換です。
小型以上の貨物車になると1年車検ですが、乗用車であれば車検ごとの交換を推奨しています。どうして2年ごとの交換が必要になるか?それはブレーキフルードが劣化してしまうから。
ブレーキフルードは吸水性が高くて、水を含みやい。劣化が進むとフルードの沸点が下がっていきます。沸点が下がるとベーパーロック現象が起きやすくなるというのが最大の理由。
山道の下りをブレーキかけながら走行してるとします。荷物を積んだ車だとどうしてもブレーキにかかる負担が大きい。そんな中、エンジンブレーキを使わないでフットブレーキだけで下がってくると、ブレーキが熱くなりベーパーロック現象・フェード現象を引き起こして効かなくなってしまう。
ベーパーロック現象はブレーキフルードが沸騰して内部にエアが混入します。ブレーキラインにエアが混入すると、ブレーキの踏みごたえがなくなりスカスカになってしまいます。とても恐ろしい現象です。
フェード現象はブレーキの踏みごたえはあるんですが、踏んでも効かない。制動距離が伸びていってしまいます。僕も自分の車でフェード現象を味わったことがありますが、びっくりしました。キャンプ場から降りてくる最中にフェードして、ブレーキが効かなくなったので路肩に車を寄せてしばらくクーリングさせました。
こちらは13年間ブレーキフルードを一度も交換されてなかった車のシリンダー内部。もう真っ黒で錆び錆びです。こうなったら、ブレーキフルードを交換しても無駄です。通常ブレーキのOHをすれば治るわけですが、ここまで錆びてしまうとホイールシリンダーやキャリパーをアッセンブリーで交換しないといけません。
ブレーキの不具合はすぐに事故につながるので、ブレーキフルードは2年ごとに交換を推奨してるわけです。
ブレーキフルード交換費用は?
ブレーキフルードの交換費用はどのくらいか?ブレーキフルードの交換は乗用車であればフルードは1リットルもあれば大丈夫。マスターシリンダーからそそいで徐々に各ブレーキキャリパーやホイールシリンダーへ新油を流し込み・エア抜きをしていきます。
ここに工賃がはいります。なので乗用車であれば5000円〜8000円程度になります。一般整備でブレーキフルードを交換のオーダーを入れると車検時よりも費用が高くなります。
車検や12ヶ月点検で一緒にブレーキフルードを交換してもらうのが一番経済的です。
トラックなどになると、ブレーキフルードは1リットルじゃたりないので2リットル程度必要になります。
ブレーキフルード交換は乗用車であれば5000円〜8000円。トラックなどになると1万円〜2万円程度になってきます。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。