クーラントは水冷エンジンに使われている冷却水のことをいいます。自動車に使われてるエンジンはガソリンであろうと、ディーゼルであろうと9割以上が水冷エンジンです。
かなり昔の車には空冷エンジンも存在しましたが、現在売られている車はほぼ100パーセント水冷エンジンになっています。
クーラントは今では長寿命タイプも出回ってきましたが、ある程度使ってくると劣化してきます。クーラントが劣化すると防錆効果が失われたり、消泡効果がなくなったりしてオーバーヒートにつながります。
クーラントのメンテナンスは、交換か添加剤を入れるの2通りに分けられます。
目次
クーラントの交換時期は?
それではクーラントの交換時期について考えてみましょう。まずはこのラジエターキャップをみてください。通常こんなに錆び錆びではありません。これはクーラントの交換を怠っていた車によく見られる状態。
防錆効果がなくなり、エンジン内部が錆びてしまってる証拠です。エンジンの内部が錆びてしまうと、クーラントがうまく循環できなくなりオーバーヒートに繋がってしまいます。
ロングライフクーラントと呼ばれる今までのクーラントの交換時期は2年ごとでした。貨物車などは1年車検なので2車検ごとになります。乗用車は車検ごとに交換が推奨されていた。
それがちょっと前から自動車メーカーはクーラントも長寿命タイプのものを開発しました。それがスーパークーラントと呼ばれるものです。
自動車メーカーによって、交換時期は変わってきますが、長いものだと11年20万キロ無交換でOKというものもあります。
トヨタは16年または7万キロごとを推奨とされています。
これらをまとめるとクーラントの交換時期は2年〜11年(20万キロ)です。自分に使われているクーラントがロングライフタイプか、それともスーパークーラントか。それによって交換時期は大きく変わってきます。
車の説明書やメンテナンスノートをみて、記されてる交換時期を守るようにしましょう。
クーラントの交換費用は?
それではクーラントの交換費用はどの程度かかってくるのか?
クーラントの交換はラジエターから抜いて、また補充すればいい。と、単純なものではないのです。クーラントを抜いてしまうとエンジンの冷却ラインに
「エア」
が噛み込みます。このエアを抜くための「エア抜き」という作業が必要になるのです。
エア抜きを怠ってしまうと、正常にクーラントがエンジン内部を循環できなくなりオーバーヒートします。
水筒にストローが付いているタイプのものを洗剤をつけて洗ってみるとよくわかります。ストローの中に洗剤の泡が入り込むと、その泡を外側へ押しやるのが大変なんです。このようにエアが噛み込むと、水の動きを堰き止めてしまいます。
なので整備士は特殊な工具を使ったり、定められた方法でエア抜きをしながらクーラントを交換します。
クーラントの交換には、内部を真空状態にしておいて一気に交換する方法もあります。ただこれはホースなどに負担がかかるので、あまり古い車ではお勧めできません。
きちんとしたエア抜きツールを使って、交換しましょう。
クーラントの交換費用は5000円〜25000円程度かかってきます。エンジンによってはクーラントが8リットルつかわれてる場合もあります。それがスーパークーラントだとしたら、部品代だけでかなり高額になってきます。
それと従来のロングライフクーラントを使ってる車にスーパークーラントを使いたいという場合は、全てを抜き変える必要があります。
全部抜き変えて洗浄したのちに、入れ替えればその後はスーパークーラントとして使うことができます。
クーラントの添加剤もある
初めてクーラントの交換時期にきてしまった。というときに使えるのが添加剤です。
有名なのがワコーズのクーラントブースター
これは、性能が劣化したクーラントを復活させる添加剤です。
2000円程度で手に入るので、初めてのクーラント交換時期に来たらこのクーラントブースターを添加して2年間延長してつかうのもいいかもしれない。
これなら自分で添加することができますからね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。