トヨタのヴィッツがエンジン不調で入庫してきました。
症状は、アイドリング時に片肺のような症状で、どうもどこかの気筒がうまく作動していないような状態です。
とりあえず、イグニッションコイルやプラグを気筒間で入れ替えてみたけれど、変わらず2番シリンダーが不調のまま。
診断機をあてると、やはり2番シリンダー失火という信号が入っているのがわかります。ただ、ダイレクトイグニッションとプラグを正常の気筒から付け替えても症状が変わりません。
インジェクターの作動音を長尺ドライバーで聞いてみると、作動音はきちんとしている。ここで、インジェクターを外してみることにしました。
これが外した2番インジェクターです。結果、インジェクターが目詰まりを起こしていたということで間違いはなかったんですが、結構ひどい。
当然マルチホールインジェクションながら、穴が結構ふさがっているような状態。
インジェクターっていうのは、水道の蛇口をイメージしてもらえるとわかりやすいと思います。インジェクターただ開閉をして燃料をマニホールドへ噴射しています。
燃料の噴射圧力はインジェクターとは関係ありません。燃料ポンプで燃料圧力を高められて、プレッシャーレギュレーターで脈動を抑え、インジェクターへ燃料が運ばれます。
水道もそうですが、凍結防止で元栓を締めちゃえばいくら蛇口を開いても水は出てきません。圧力がきちんと手前まで保たれた状態じゃないとダメ。
そして、インジェクターで噴射するわけです。が、こんなに目詰まりを起こしていちゃ規定の燃料を噴射することは難しい。
この手の診断の難しいところは、作動音はするということ。
そして点火系が正常であっても失火信号をダイアグに残してきます。こうなってくるとインジェクターが怪しい。
できることならインジェクターも違う気筒と入れ替えてみることができれば一番ですけどね。
インジェクターが目詰まりを起こす原因っていうのは、オイル過多によるブローバイガスの混入などが原因にあげられます。あとは粗悪な燃料を使って詰まっちゃうとか。
定期的な清掃をすることも難しいので、市販のインジェクタークリーナーなどをたまには添加してあげるというのがいいのかもしれないですね。
僕はたまにKUREのインジェクタークリーナーを入れてます。そんなに高い物でもないし、お勧めです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。
コメント
いつも有益な情報を提供して頂き有難うございます。
中古車を購入したモータース屋さんでオイル交換をすると毎回オイルゲージのFを遥かに超える量までオイルを入れられます。思い余って店の人に「多過ぎませんか?」と尋ねても「少ないのは問題ですけど多い分には問題ありませんよ♪」でした。
しかしこちらのブログでも何回も取り上げられているように、実際には問題があるのですね・・・。燃費が悪くなるとかでしたら一時的なものですからオイルを入れ替えれば問題解決するのでしょうが、修理となると相応のお金も時間も必要になるので困ったものです。先方さんに指摘しても無駄なようですので、縁を切るしかないみたいです。
インジェクターの定期的なクリーニングの必要性は同感です。最近はPEA(ポリエーテルアミン)を使ったクリーナーがいろいろ売られるようになり、私はこちらをよく使います。ポピュラーなのはWAKO’Sのフューエル1ですね。安いものではカインズホームのPB商品もあります(古河薬品製のようです)。
以前、よくお世話になってるお店がインジェクター洗浄機を導入したので、試しにやってもらったことがありますが、その違いに驚いたことがありました。
特に不調という訳ではありませんでしたが、施工後はエンジンがとても静かになったような感じでした。
ケミカル剤は試したことないですが、お手軽なので今度試してみようと思います。
オイルの入れすぎは百害あって一利なしです。
フューエルワンは僕も昔使ったことがあります。本当は添加前と後でインジェクターを脱着して比較してみればいいんですよね。
以前チューニングショップでも流行りましたよね。実はインジェクターには誤差があったという。それを均一似噴射できるようにするというやつですね。
インジェクターが均一じゃないとチューニングしても意味ないですからね。