一般ユーザーの方々にとって整備工場へ入庫するのは主に車検です。
定期点検も入庫してくれるユーザーはさらにその半分程度に減ってきます。突発的な故障などで入庫してくる件もありますが、工場へ入庫してくる回数は減ってきています。
車の整備がどんどんとロングライフ化されてきています。
例えばプラグは10万キロOK。車種によっては20万キロOK。
昔は3000km程度で交換を推奨されてきたエンジンオイルも今は15000kmまでOKという車種もあります。
クーラントもスーパークーラントに変わったので、10万キロOK。CVTやATFに至っては無交換でもOK。
こんなところが変わってきたところですね。
そんな中昔からずーっと変わらないでいるのがブレーキオイル。今も昔も2年ごと。つまりは車検ごとに交換を推奨されている油脂です。
ブレーキオイルがなんでロングライフ化されないのかというと、一番は吸水性が原因なのではないかと。
大気中の水分を吸収して、沸点が下がってしまう。
沸点が下がるとベーパーロック現象を引き起こしやすくなる。ブレーキは命に関わる部分なので、メーカーも変わらずブレーキオイルの交換は2年ごとに設定している。
ブレーキオイルが水分を含んでくると、当然ブレーキ内部も錆びてきます。これが液漏れを起こす原因になります。
ホイールシリンダーのピストンが錆びて段付きを起こし、液漏れをする。
ブレーキキャリパーのピストンが錆びついて、引きずりを起こすなど。これらはやっぱりブレーキオイルを定期的に交換されていない車がほとんどです。
逆をいうと、ブレーキオイルさえ定期的に交換していけばほとんど液漏れを起こす事もありません。
ただ、ゴムが硬くなってくるという事なので、ブレーキのOHも定期メンテナンスには組み込まれています。
車検の時、是非ともブレーキオイル・クラッチオイルは交換してもらいましょう。自分で交換してもいいんですけど、以外と手間です。
全てのタイヤを外して、ブリーダーを緩めてペダルをあおる。これを4輪やる手間を考えたら車検の時に交換してもらうのが得策です。
12ヶ月点検や車検の時にブレーキオイルを交換すると、工賃が安くなるのです。どのみち点検でタイヤを外すからですね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。