今まで車の寿命と言われていた目安。
10年10万キロ
これが一つの区切りだとされてきました。ですが、現在の車にこの数値は当てはまらなくなりつつあります。
現在の車はどの程度使えるのか?それは20年20万キロが一区切りになってくる。この根拠を現役で整備士をしている自分が解説してみます。
目次
10年10万キロと言われていた寿命
昔の車が10年10万キロで寿命を迎えると言われていたのは主に1つの原因が考えられます。
それは10万キロをめどに高額な修理が必要になるということ。
10万キロで交換するタイミングベルト・クラッチ
昔の車はエンジンにタイミングベルトを使っていました。今のエンジンでも使われている車種はありますが、乗用車の多くはタイミングチェーンになってきました。
タイミングベルトは10年10万キロで交換をしないと、切れる可能性がでてきます。車によっては10万キロ持たずに切れる車もあります。タイミングベルトが切れるとエンジンに深刻なダメージになり、修理代が10万円単位で必要になる。
しかしタイミングベルトの交換費用は部品代と工賃を込めれば5万円〜10万円くらいかかってきます。この費用を捻出するのだったら乗り換えよう!と考える人が多かった。
そして、もう一つの高額修理としてクラッチのOHです。これも昔の車はマニュアルが多かった。10万キロ走ってくると通常の使い方をしているとそろそろ交換の時期になります。
運転の上手い人はそれこそ20万キロほど持つわけですが、普通に使っていると10万キロくらい使ってくるとクラッチディスクが減ってきて、車が動かなくなる。そうなったらクラッチのOHです。
このクラッチOHですが、へたな話車のエンジンを下ろさないと交換ができない車があるのです。部品代で2万円くらいですが工賃で5万円もザラにかかってくる。そうなるとやはり乗り換えの対象になってくる。
高額修理がかかってくるので10万キロをめどに乗り換える人が多かったということが事実としてあげられます。
現代の車は20年20万キロが当たり前の理由
現在作られている車は20年20万キロもつ!
この根拠は先ほどの原因とはまったく逆になってきます。
車はAT全盛でタイミングチェーンが主流
今の乗用車の8割はエンジンがタイミングチェーンでミッションはATです。
つまり、10万キロに交換が必要だったタイミンベルトの交換がない。そしてクラッチOHもなくなりました。
高額な修理が必要なくなってきたので、10万キロなんていうのは一つの通過点に過ぎなくなってきたのです。
そして電子部品の性能があがったこと。トータル的に車の性能があがったことも加味すると平気で20年20万キロは走りきれるようになりました。
これは軽自動車であっても同じことが言えると思います。
ただ基本的なメンテナンスは必要です。それは油脂関係の管理、消耗部品の交換です。エンジンオイルの交換サイクルは昔の3000kmに比べてシビアコンディションであっても6ヶ月5000km程度になってきました。
ターボ車はオイルラインの通路が狭いということがあり、やはりマメなオイル交換は必要になりますがターボの付いていないNAであればへたな話1年に1回オイル交換をすればエンジンはそこそこメンテナンスフリー化してきています。
補機ベルトも性能があがってきています。サーペータインと呼ばれている1本でオルタネーター、エアコン、パワステを駆動するタイプは5万キロ以上持つ車はザラ。
10万キロ無交換でいけちゃった車も知っています。そういう車のベルトはかなり太いですけどね。
点火プラグもイリジウムタイプの10万キロOK。クーラントもスーパークーラントで10万キロOK。
つまり現代のエンジン関係のメンテナンスはオイルや水の量を管理していくだけ済むのがほとんどです。昔は10万キロ程度でオルタネーターのブラシも磨耗していました。
10万キロを超えるとオルタネーターが発電しなくなるのでOHやリビルトへの交換が当たり前に行われていましたが今では20万キロは無交換で大丈夫。ごくたまに内部のダイオードやレクティファイヤが壊れたりすることもありますけど・・。
結論としてまとめると
では結論としてまとめてみます。
- 昔の車は10年10万キロで大きな修理が必要になっていた
- 部品の精度が飛躍的に向上してきた
一番カーライフでランニングコストを下げて使うとしたら、本当に安い軽自動車を買ってメンテナンスはそこそこにして使い続けることですね。
タイヤ代も安いし維持費も安いです。アルトのバンならAGSで78万円からですからね。値引きもあるでしょうし。
200万円の軽自動車も売っていますが、それこそ安い軽自動車も売っています。自分の使い方に合わせた車を買って長くカーライフを楽しみたいものですね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。
コメント
確かに、基本的なメンテナンスさえしていれば、問題なく走ってくれそうですよね!
ただ、ここ最近特に車に使われる事が多くなった樹脂製品。
これが距離と年数を走るには、ネックになって来る様な気がしますけど…。
車の頑丈さで言えば、昔の車(20年位前の)の方が長く使える様に思うのは、自分だけかなぁ…!?
修理代はかかってしまいますけどね!
20年前の車はまだまだ元気で走っていますよね
ボクのクルマも平成4年式ですが元気に走っています!そのころのクルマのほうがしっかりと作ってあるような気がします。
我が家の過走行・低年式自慢
トヨタマークⅡブリットGX110W H14年式 総走行145000Km
トヨタスターレットEP91 H10年式 総走行205000Km
過走行フェチである自分は、この数字にウットリしながら日々愛車を転がしていますが、こんな数字が自慢にも何にもならないくらい、当たり前になってきた日本車の耐久性。
凄いなぁ日本車って。
こんな乗ると、手放さざるを得ない時期が来たとき、大変だな。
マジで泣くぞ・・・。
平成初期の車はしっかり作られている感がありますね。下回りもきちっと防錆されていましたしね。
自分も過走行フェチです(笑
走った距離は勲章ですよね