マツダ

ロードスター990Sに採用されたKPCはどのように作動するのか?電動化されてないはずなのに

ロードスターの新しいグレード990Sから採用されたKPC。キネマティック・ポスチャー・コントロールとよばれる新技術です。

興味深いのが、このKPCを採用しているにも関わらず、重量増が1gもないということ。一体どうやってそのシステムを実現しているのか?

これをロードスターの足廻りを見ながら解説してみます。

重量増が0g。そして、お金もかかっていないのに、評論家の皆さんがこぞって評価しているシステムです。

キネマティック・ポスチャー・コントロールは何をしているか?

まずはざっとKPCについて紹介。何をしているシステムで、みんなから称賛されているのか?

ロードスターのリアサスペンションは、ブレーキをかけることで車体を引き下げる「アンチリフト力」が発生する構造になっています。

KPCでは、このサスペンションの特性を最大限に活かし、Gが強めにかかるようなコーナリングの際にリアの内輪側をわずかに制動することで、ロールを軽減しながら車体を引き下げて旋回姿勢をより安定させます。

マツダHPより引用

もう少しかみ砕いて説明すると、カーブを曲がる時に後輪の内側に少しブレーキをかける。

すると、車体を引き下げて姿勢を安定させているというもの。

ではここで、NDロードスターのリヤ足廻りを見てみます。

このKPCは他の車でも採用できるのか?という素朴な疑問から。

KPCを成立させるには、他の車では無理だと冒頭の文章で読み取れます。

ロードスターのリアサスペンションは、ブレーキをかけることで車体を引き下げる「アンチリフト力」が発生する構造になっています。

この一文ですね。ロードスターのリヤサスでないと、ブレーキング時にアンチリフト力が発生しない為、他の既存の車には無理だということ。

もちろん、これから出てくる新型車の足廻りを、ロードスターと同じでアンチリフト力を発生させることが出来れば可能ということですね。

NDロードスターのリヤサスペンションはロングリンクマルチリンク方式を採用しています。

いろいろなロッドが複雑に絡み合っているのが分かります。

これがブレーキング時にアンチリフト力を発生させる肝となっているのですね。

後輪のブレーキはどうやって自動で発生させている?

ここからは僕が抱いた素朴な疑問です。

重量増0gでお金もかかっていないKPC。おそらくECMのプログラムだけバージョンアップさせている。

ではどのようにリヤブレーキに制動力を発生させているのか?

最初990Sが出たときに電動パーキングブレーキでも採用して、モーターで制御するようになったのかなって思ったんです。

しかし、そうではなかったようです。

というのも、このKPCは既存のNDロードスターに追加で搭載することも可能だと言われているからです。

KPCのリヤブレーキに制動力を与えているのは、ESC(横滑り防止装置)です。仕組みはハンドルの総舵角とリヤの車輪速センサから割り出した数値をもとにESCを介して、ブレーキを微弱に制御しています。

横Gが0.3G以上で作動するようになっているようで、スピードが出ていない時や緩やかなカーブの時は作動しません。

なるほど納得。

ちなみにマツダの開発陣はLSDよりもいいと言っているので、逆に990SにLSDを付けたら挙動がどうなるか、その辺りも興味がありますね。

NR-AにはトルセンLSDが入ってたりするし、既存のNDロードスターユーザーの多くはLSD入れてると思いますから。

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