家の中を整理していたら、懐かしの整備容量書がありました。
こちらは日産の180SXの整備要領書です。
180SXと言えばシルビアの兄弟車で、日産の人気を席巻した1台でもあります。
この180SXは当時MHO兄が乗っていたもので、リアルタイムだとシルビアはS14型にスイッチされていたころですね。
兄の乗っていた180SXは最終後期型になり、テールランプがスカイラインのように丸目四灯に変更されたものです。
整備書を見てみると懐かしさと、その当時の整備基準などの記載があって勉強になります。紹介してみます。
それではここからが本題になります。
今の時代、エンジンオイルの交換というと、メーカー基準で乗用車の場合1年または15000kmというロングライフが設定されています。
しかし、これを守ってる人は少なく、大体5000km前後で交換される場合が多いです。整備工場もメーカー基準でオイル交換をお勧めするところは少ないです。
理由は何故かというと、15000kmまで放っておいたら、オイルの量が減ることもあって気が付かなくなるだろうし、何か問題が出る可能性もあります。
なので早めの交換スパンを提案しています。
では実際のところ、90年代の180SXはどうだったのか?ちなみにSR20DETというエンジンでターボ車です。NAエンジンよりもオイルに要求するものは高いです。
整備書に記載されている180SXのオイル交換については以下の通りです。
新車工場出荷時のオイル 日産純正SG級 ターボX 7.5W-30
交換基準は
SD,SE,SF規格のオイルの場合、5000kmまたは6ヶ月ごと
SG規格のものは1万キロ又は1年ごと
このように記載があります。指定粘度については特に要領書には7.5W-30を推奨としか書いてありません。
これを読み解く限りでは、90年代のスポーツカーについても、エンジンオイルはロングライフ化されているのが分かります。
SGクラスのオイルでもターボ車が1万キロまで交換しなくてもよいとされていました。
随分前からオイルってロングライフ化されていたわけですね。
ただし実際の整備現場ではもっと早いタイミングで交換をしていましたけどね。
エンジンオイルの長寿命化はSGグレードくらいからスタートし始めました。
実際に180SXもSGグレードのオイルなら使用を2倍に引き延ばしてもいいと読み解くことができます。
SGグレードって動弁(バルブ)系の耐摩耗性と酸化安定性が要求され、エンジン本体の長寿命化を果たす性能を促進されています。
そしてSLグレードはオイル劣化防止性能の向上が追加されて、今ではエンジンオイルを長く使う事で、自然環境にやさしくありましょうとされているのです。
まあオイル交換をした廃油も、その後燃料などに再利用されていきますので、総合的にはそれほど無駄はでないんですけどね。
昔の整備書を見ると、いろいろと興味深いことが書いてあり勉強になります。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。