このトラブルは2回目の経験になります。前回の経験があるので、もしかして・・と。
サンバーのO2センサが故障したということで入庫してきました。
この型式のサンバーでO2センサの故障トラブルは初めて遭遇しました。
が、同じOEM本家のハイゼットでちょっとした経験をしたことがあります。
オーナーの人は、自分で簡易的なOBD機器を持っていて、故障コードを読み取り部品を買って来ています。
故障コードはP0141のリヤO2センサです。
現在故障にも上がってきています。パラメーターを保存して、とりあえずオーナーが持参してきているセンサに交換。
センサ交換後、故障コードを消去してみました。
が、消去しているのにペンディングコードが消えない。
ペンディングコードというのは、保留されている故障コードです。
例えば1トリップでその故障を検知したら、すぐにエンジンチェックランプを点灯させる故障。
そうではなくて、2トリップ(2回目の検知)の故障を検知した時点でエンジンチェックランプを点灯させる故障など種類があります。
ペンディングコードが上がって来ている状態ですので、おそらくエンジンを停止して再始動したらチェックランプがまた点灯するのではないかなと。
試してみたら点灯しました。
この時点で、考え方を一旦リセットします。
まず事実としてリヤO2センサの故障コードが上がって来ていると。お客さんが持って来たO2センサは社外の新品です。
メーカー名は伏せますけど、一般的に修理に使われているものですね。僕はいろいろ痛い目を見て来たので、センサといえば純正のセンサしか使わないですけど。
リース会社などは同じメーカーのセンサを送ってくることがあります。
なので、某国の怪しいセンサとはちがいます。
ECUデータモニターモードにして、O2センサの電圧の変化をモニタリングしてみました。
すると、リヤO2センサの出力電圧が0.7Vで固定されて?リニアに動きません。
試しに外した純正品に付け替えて、もう一度ECUデータモニタで数値を見てみました。するとやはり同じで0.7V固定のまま動いていません。
O2センサのヒーター系回路って確かによく断線することがありました。でもそれは昔のO2センサですね。今のはヒーター系回路の断線ってあまり遭遇しません。
何より、交換した純正センサも社外新品のセンサも同じ数値で固定されているということはどうしたことか?
考えられるのは2つ。お客さんが持って来た社外新品のセンサも壊れている。もしくは違う部分の故障である。
とりあえず整備書のフローをみて、配線などをチェックしていくも問題なし。となると、問題はここにあるか?
ECUです。
お客さんに、買ったセンサが不良を起こしているのなら、多分返品してもらえる旨を伝えました。
お客さんはそれは面倒だからECUを交換してくれと。
調べてみたらECUはなんと62000円もします。流石に、センサも微妙な状態でECU交換に踏み切れるような値段じゃないので、中古をあたったら5000円であったので取り寄せて交換してみました。
結果、治りました。そもそもの故障がセンサではなくてコンピュータだったという稀なケースです。
稀といっても、僕はこのトラブルは2回目の経験なので、多い方なのかもしれません。S510系でO2センサ故障が出たら、安易にセンサ交換ではなおらないかもしれません。
でもO2センサはフロント、リヤ共に5000円台から買えるので、安い部類に入りますけどね。
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ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。