年末の仕事で同僚整備士が苦しんでいたトラブル。
車はサンバーで、TT2初期型。
エンジンはスーパーチャージャー仕様のAT車です。症状は何かというと、40km/hくらいでエンジン回転が吹け上がらなくなる時がある。
というものです。
この車両の整備記録簿を辿っていくと、過去にオーバーヒートでシリンダーヘッドを交換しているようです。
そのあとは普通に何回も継続検査を受けている。
直近のトラブルでは、エンジンが止まってしまうというもので、カム角センサーを交換。
その後失火症状が出るということで、プラグコードとプラグを新品に交換しています。
話を戻して40km/hでエンジンが吹け上がらないというトラブルですが、僕も車両が入庫した時に停止状態でエンジンが吹け上がるかをテストしてみました。
すると普通にエンジンは吹け上がります。となると、たまに出るという症状のようで、作業は後輩が着手。
話とトラブルを聞くと、どちらかというと点火系統じゃないかなっていう気がしました。燃料系統でも似た症状は出るだろうけど。まあ燃圧計をセットして燃料タンクの中を確認してみないとなんとも言えませんが。
で、原因はなんだったのか?
原因はまさかのカム角センサです。半年前に新品に交換されていたようですが、装着されていたのが社外品。
とはいうものの交換されたばかりの新品センサが再度ダメになるとは、なかなか想像しにくくて、診断にいろいろと迷いがあったようです。
改めてカム角センサというものについて考えてみました。
カム角センサーは、カムシャフトの回転角度を検出し、ECU(エンジン制御ユニット)にその情報を伝えるセンサーです。ECUは、この情報に基づいて、点火時期や燃料噴射量を制御し、エンジンを最適な状態で運転できるようにしています。
カム角センサーが故障すると、ECUは正確なエンジン状態を把握できなくなり、以下の様な症状が現れることがあります。
カム角センサーが故障すると、ECUはカムシャフトの位置を正確に把握できなくなります。そのため、点火時期が遅れたり、早まったりして、混合気が適切なタイミングで燃焼できなくなります。結果として、エンジンがスムーズに回転せず、吹け上がらなくなるのです。
カム角センサーの故障と似た症状を引き起こす原因としては、以下のものが考えられます。
サンバーの場合はカム角センサの故障が有名です。
が、どちらかというとエンジンが暖まってくると、不調になってエンストをするというトラブルが多いです。
今回のように吹け上がらなくなるといった故障につながることも覚えておかないとダメですね。
とはいうものの、やはりこの手の重要なセンサは純正新品に限りますね。サンバーの場合IGスイッチなんかも社外新品で設定がありますけど。
センサー類は純正を使うに限ると思います。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。