前回さわりの部分だけ紹介しました。
4サイクルエンジンに2サイクルオイルを入れたらどうなるのか?試してみたので詳細をお伝えします。
まず実験に使った車は、走行距離が12万キロを超えているアトレーワゴン。
KFエンジンのターボ車です。
ちなみにこの車、KFエンジン特有のオイル上がりを起こしていて、1000km走るごとにレベルゲージの半分くらいオイルが減ってしまう車です。
それをワコーズのエンジンパワーシールドというオイル添加剤を入れたら、緩和されました。
この車に2サイクルオイルを入れてみました。
ちょうどオイル交換の時期に来ていました。
古いオイルを抜く前に、騒音計アプリでエンジンノイズを計測してみます。
大方完全暖機状態で70dB付近といったところです。
前回オイル交換をしてから2500km走っての交換です。
軽自動車ターボで、シビアコンディションに該当しているため、かなり早いタイミングで交換指示がメーカーから出ていますので、それを守っています。
オイルはチェンジャーを使って上抜きします。
アトレーワゴンは下抜きよりも上抜きの方がより多くのオイルを抜くことができます。
これも実験して実証済みです。
2サイクルオイルを入れた後は、復元作業としてフラッシングをするのでオイルフィルターはこの時点では外しません。
4サイクルエンジンに2サイクルオイルを入れた結果
4サイクルエンジンと2サイクルエンジンの違いってなにか?
4サイクルは吸入→圧縮→燃焼→排気の行程をピストンの往復運動2回でします。
2サイクルは掃気、圧縮、燃焼、排気の行程をピストンの往復運動1回で行います。
最大の特徴は4サイクルエンジンにはOHCをイメージすると、カムシャフトとバルブがあります。2サイクルエンジンにはカムもバルブもないため、ヘッドがコンパクトです。
そして潤滑方法も違います。
4サイクルエンジンはオイルをオイルパンにためて、それを循環させながら使います。
2サイクルエンジンはオイルをタンクにためておき、燃料と混ぜながら潤滑させ、燃えてしまいます。
つまり4サイクルオイルでは当たり前に言われているオイル交換が、2サイクルエンジンはありません。オイルは減ったら補充するだけ。
4サイクルオイルは循環して使う。2サイクルオイルは燃やしながら使う。この辺が違う所です。
4サイクルエンジンに2サイクルオイルを入れても大丈夫なのか?
ドキドキしながら2サイクルオイルを入れて、エンジンをかけてみました。
すると、意外と普通にエンジンはかかりました。
昔サラダ油をエンジンに入れた事があります。
その時も普通にエンジンはかかりました。いわゆるオイルと名のつく者なら、代わりにいれたとしてもある程度はエンジンを潤滑するようです。
サラダ油を入れた時、実際に走ってみろ!とコメントされたことがあったので、今回は2サイクルオイルを入れて走ってみました。
こちらも問題なく走れました。白煙もたくさん出るのかなと思ったけど、そうでもなかったです。
2サイクルオイルだって、シリンダーを潤滑させないといけないので、その辺りは大丈夫なんでしょうね。
それよりもカムとかヘッド廻りの方が負担があるのかもしれません。
いずれにしろ、万が一手元に何のオイルもない時、何とかそこから動かさないといけない時など、緊急時の選択肢としては使えなくもないという事になります。
ただ長期的に使うといろいろな弊害が出るのは間違いないので、真似しないでください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。