37万キロ走った親父のラルゴ

車という乗り物の寿命は一体どの位なのか?
僕が目の当たりにした車はオヤジが乗っていたバネットラルゴ。
ディーゼルでパワステもエアコンもついていない車でした。しかも二駆。

37mankiro

ラルゴは小学校四年の時に新車で購入。
二十歳になった僕が見た距離は37万キロ。オヤジは毎週東京と長野をラルゴで往復していました。
御歳四十後半から六十過ぎまで。ありえません。一年に三万キロ後半乗っていたことになります。

ラルゴはエンジンは一度もオーバーホールなし。噴射ポンプも一度も交換していないと当時胸を張っていました。
37万キロ走ったラルゴは室内はすり減りまくり。シートは強力に陥没していたのを覚えています。
当時日産の工場長をやっていた人が親戚で車の面倒を見てくれていましたが、
超大変だったと思います。なんせ整備に時間は取れないし、距離はすごいし。
三度目のタイベル交換はオヤジ自身がおこないました。
他オイル交換からサーモスタット交換までオヤジせっせと自分で出来るメンテナンスを施していました。

ラルゴを廃車にする時は、メカニカルトラブルではなくて、
フロントガラスと運転席のガラスが二枚割れちゃったからでした。
シートベルトを勢い良く戻したら偶然横のガラスに当たり、フロントガラスはヒビが広がったため。
オヤジは修理したかったんだろうなと今になれば思います。
さすがに未だかつてこのラルゴのオドメーターをこす車両にはあったことがありません。
飲みにいく帰り、タクシーに乗るとき
必ず僕はタクシーの走行距離をききますがラルゴを越す個体には未だ巡り会えません。

整備士になって、今の技術の時にオヤジのラルゴをリフトアップして
各部を点検してみたかったな。あと分解整備記録簿を見てみたかった。
僕らが距離を重んじるのはオヤジの背中を追っているから。
オヤジが到達した月まで走れる走行距離。いつかは到達したいけど、
現状では無理だな。なんせ一年に三万キロ以上も車に乗る用事がない。
少なくとも今の仕事をしている限りは追いつけないな。

しかし諦めません。こっちは整備士。プライベーターのオヤジには負けられません。
ラルゴのタイベルなんかパワステもエアコンもついてなきゃ余裕だよ。

待ってろよ。オヤジ。といいつつ1日往復3キロしかない会社を必死に車で走るMH0でした(笑)

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部品を換えれば37万キロは走破できる。

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