まずはこちらをご覧ください。
これは15万キロ走った車のリヤのドラムブレーキです。
15万キロという距離もなかなかですが、この車一度もリヤのブレーキシューを交換していないんです。
こちらは同じ車のフロントブレーキパッド。
ブレーキパッドは一度交換されていて、このくらい減っていました。残量約3mm程度ですね。
街乗りレベルでそこまで距離を走らなければ、法定点検など1年くらいはまだ持ちそう。
それよりもリヤブレーキです。
15万キロもの間、リヤブレーキを交換しないで到達できるものなのか?
新品のブレーキシューと比較してみましたが、やはり残量は減っているのが分かります。3分の1位まで減ってますね?
それでは、そもそも何故この車は15万キロもの間、リヤブレーキシューを一度も交換せずにいられたのか?
フロントのディスクブレーキに対して、リヤのドラムブレーキの方が摩耗が少ない傾向があります。
これは多くの車に共通しています。ただ、中にはまあまあの勢いでブレーキシューが減る車もありました。
スバルのRA型のプレオとかはリーディングシューが結構な勢いで減っていった。
それでもブレーキパッドに比べると長持ちします。
理由は何点かあります。
・前後のブレーキバランスが、フロントの方が強い車が多い
・摩材であるライニングの表面積がブレーキパッドより広い
・ブレーキング時は前荷重になるためフロントの方が負荷がかかる
あとそもそもパッドとシューでは、ライニングの成分が違うというところもあると思います。
構造でいうと、ディスクブレーキは放熱性に優れています。ドラムブレーキは熱がこもりやすい。
しかし、ディスクブレーキよりもドラムブレーキの方が効きが強いんです。
メンテナンスのし易さはディスクブレーキに軍配が上がりますが。
ブレーキの前後配分が、そもそもフロント寄りの車が多いということ。ブレーキング時には前荷重になるという事。ライニングの表面積が広いということ。
これらがリヤのドラムブレーキの方が減りが遅い理由につながります。
ちなみに四輪ディスクブレーキの場合、リヤブレーキの配分が強い車もあり、リヤブレーキが減りやすい車もあります。
V35のスカイラインなんか、リヤブレーキが結構な勢いで減っていきました。
しかし、フロントディスクブレーキよりリヤディスクブレーキの方が、全体的にいうと減りが遅いですね。
あまりリヤブレーキの効きを強くすると、後輪がロックしがちになり制御が難しくなりますから。
気を付けないといけないのは、ブレーキが減らないからと言って、長い年月一度も交換しないとどうなるか?
一度経験がありますが、リヤのドラムブレーキでブレーキシューからライニングが剥がれ落ちた車を目撃しました。
シューとライニングは接着されてるものが多いため、そこから剥がれ落ちてしまったんですね。いくら減りにくいとはいえ、20年も経過していたらブレーキを交換することをお勧めします。
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ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。