MHO ENGINEERING

長く自動車整備という仕事に携わってくると、ある程度の期間を経てしまえば年齢差はあまり関係なくなってきます。

最初はどうしても経験値が不足しているため、できない作業がたくさんあります。だけど、経験を積んでいくとやったことがない作業であっても過去の引き出しから知識を取り出してできるようになる。

その期間は３年くらい。これは僕が実体験で感じたことです。３年くらいは難しい整備をやらせてもらえなかったし失敗もしました。その都度先輩がリカバリーをしてくれて勉強させてくれたわけです。

そうして３年以後はどうかというと、先輩もやったことがない整備に自ら挑み続けて、ある程度会社で整備士としてのポジションを確立してきました。

当然自分のキャリアが上がると今度は後輩もできてくる。後輩には先輩整備士にしてもらったことを同じように伝えて、失敗したら反省させてリカバリーさせる。自分色にアレンジを加えて育成に勤めてきた。

今いる会社にはそれこそ整備士が１００人近くいます。その中には自分より技術がある後輩もいるし、１級整備士もいる。

自分は２級ガソリン自動車と自動車検査員、あとは大型自動車の免許と大型二輪の免許この４つしか武器がない・・・。

後輩はフォークリフトの免許ももってたり（笑）

１００人以上いる整備士の中で何を武器とするか？

自分が目指しているのは応用力を生かした整備です。医師の世界では、救命救急のようなポジション。自分の会社にはひたっすら整備をしまくる部隊があります。彼らは朝から晩までずーっと工場で缶詰。

難解な整備から始まり、特殊な整備など他の支店で手間取るであろう修理を一手に引き受けるポジションです。こういうガチンコ集団と真っ向整備の勝負をしてもおそらくは歯が立たない。

しかし、とある現場で車がエンコしています。それをあなたはなんとかしてこないといけません。さあ出発しなさい！

こういうお題になるとどうか？こなしてきた出張修理の数はほかの連中にも負けてません。エンジンのかからない車のセルモーターを現場で外して動くようにして回収してくるとか、タイミングベルトが切れてしまった車をその場で交換し、乗ってくる。

さらにはクラッチが切れない車を引き上げてくるとか、キーが回らない車をその場でなんとかしてくるとか、自分の知識を総動員させて現場で修理してくる。

リフトがなくてもミッションやデフは降ろせるわけで、そういうDIYをやってきた経験を他の整備士と差別化していく。

今の時代ってパラレルキャリアを持ってる人材も多いです。自分はこんなサイトを２０年近くやってるので、会社の事務よりもブラインドタッチは速いです（笑）

整備の売上伝票って打つのが結構難解なんです。人によっては書いてくる内容が違ったり、専門用語がたくさん出てくる。

さらには整備士の字が汚い・・・。パソコンに詳しくて、ブラインドタッチが速いというだけでは売上伝票は打てないのです！

ディストリビューターとかロアアームボールジョイントブーツとか。キャタライザーって書いてくる整備士もいれば触媒って書く人もいる。

会社としては誰が整備しても同様の売上伝票を打たないと統一感がないから、それらを解読して素早く打たないとダメ。あと工賃の計算がきちんとできないとダメですよね。指数表を見て、この作業はさっきの作業の途中に組み込めるから、工賃は多い方一つだけでOKとか。

この辺は整備をしていた人間しか手順が頭の中に入ってないから、正確な伝票にはなりませんね。自分もサービスフロントをしていたころもありますので、伝票選手権ならめっちゃ速いです。

前の会社では一番顧客データが多い支店のフロントをやっていたこともあるので、頭の回転も負けません。顧客データが６０００件あるのにも関わらずフロントは１名。

電話が鳴り止まず、瞬時にお客さんの車と場所を特定して、後輩にこういう症状だから道具はこれとあれを持って行って、こうやってこい。って。

ええと、何がいいたいのかというと、仕事納めになりました。今年の反省点を踏まえて自分は何ができるのか？他人とは何が違うものを持っていくのか？っていうのを整理してみようと思いました。

２３歳から整備の会社に入り、１６年経ちました。

来年とうとうアラフォーだ！長男は中学三年生になります。毎日毎日死ぬほど忙しくて、今年は何度てっぺんを回った日があったか・・。

こうやって振り返ることができるのは年末休みに入ったからですね。

皆様、もしかしたら一足先に仕事納めさせていただいているかもしれません。

MHO ENGINEERINGの更新は３６５日続けてますのでお許しください。